743-1 「気持ち」というもの
「気持ち」の理解は、子供たちの健やかな育ちにとって、とても大切なテーマです。
子供たちは、小さな赤ちゃんの頃から、自分が泣いたり怒ったり、嬉しかったり楽しかったりするときに、大人が共感してくれたり、不快の原因を取り除いて居心地よくしてくれたりすることを通して、自分の中に沸き起こる「何か」の存在に気づき、その輪郭を捉え始めます。
やがて心の中の「何か」は「気持ち」というものであり、それぞれ「悲しい」「嬉しい」といった呼び方があることがわかってきて、大人の力を借りながら、自分の中の気持ちに対処する方法を少しずつ身に着けていきます。
743-2 生涯かけて深まっていく
こうして自分の気持ちと向き合えるようになってくると、次は相手との関わりの中で気持ちを扱うことが視野に入ってきます。
人にも気持ちがあり、それは自分の気持ちとは異なること、自分がこう思うからといって人もそうだとは限らないこと、自分の気持ちは口や行動にしなければ相手には伝わらないこと、気持ちは常に変化し続けること、などなど、、、
やがて心身の成長発達に応じて、気持ちの課題はより複雑なステージに入っていきます。
本音と建て前、自分の気持ちを偽ること、遠慮や配慮、相手への好意の表し方、相手を傷つけず爽やかに自己主張すること、などなど、、、
こうした「気持ち」にまつわるソーシャルスキルは生涯かけて深まっていきます。
大人になればみんな気持ちをスマートに扱えるようになるかというとそうでもなく、やはり人それぞれのペースで深まっていくもののようです。
743-3 大人も子供も稽古仲間
大人でも、自分や他人の気持ちに振り回されて青息吐息になることは珍しくありませんし、表面を如才なく塗り固めることだけ上達して、心の奥底にある本音は傷だらけのまま放りっぱなし、などということもありますね。
大人も子供も、みんな「気持ち」との付き合い方を練習している真っ最中の、いわば稽古仲間です。
大人はついつい、自分の経験から照らし合わせて子供の気持ちをわかった気になったり、自分の意見を無意識に押し付けたりしがちですが、大人自身も子供たちと一緒に、お互いの「気持ち」について理解を深め合っていきたいものだなと思います。
次回は、大人も子供も一緒に楽しめる、「気持ち」にまつわるゲームをご紹介します。
本日は以上です。
それでは、また。
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