649-1 関わるすべてが影響する
前回の記事を読んで、こんなメッセージをくださった方がいらっしゃいました(Uさん、ありがとうございます!)。
(記事で書いたような情緒の安定した状態に)持っていく為には、日々の家族の支援も大事かなと・・・。
ハッとしました。
声かけなしでも、日常生活を送れる様にツールを探して取り組んでみたいなぁと思います。
Uさんがおっしゃるように、情緒の安定は子供たちが関わるすべての場所での過ごし方が影響し合って醸成されていくものです。
学校や支援施設で学んで獲得するような性質のものではないのですね。
649-2 ある人事担当者の話
障害のある方を多く受け入れ、長期にわたって活躍いただいているという企業の方がおっしゃっていたことがあります。
特別支援学校の生徒さんが現場実習に来るとき、学校の先生から『この生徒は〇〇の状況に弱い、〇〇によって情緒不安定になることがある、職場でもご配慮をお願いします』といった申し送りを受けることがある。
申し送りはありがたいが、学校や家庭で落ち着いて過ごせない子が、職場で落ち着いて過ごせるわけがない。
長期に安定した就業を期待するなら、まずは情緒の安定した生徒さんを育んでほしい。
情緒の安定した生徒さんなら、どのようにでも仕事の仕方を教え環境を工夫して、長く勤めていただく自信がある。
情緒が不安定な生徒さんは、こちらも努力はするけれども、すぐに退職される方が経験上多い。
このようなお話でした。
これも「この場でうまく過ごせるようにしよう」という考え方だけでは長期的には通用しないことを教えてくれているように思います。
649-3 大人も子供も「バッファ」を育もう
大人は、職場でストレスを感じても家庭でリフレッシュするといったように、生活全体でバランスを取ることができます。
それは、バランスを取るためのベースとなる力、生きるためのバッファ(=余裕・緩衝)とでもいったものを備えているからです。
もともとのバッファが少ない人でも、前回の記事で書いた7つのポイントを丁寧に育むことでバッファを増やしていけます。
そのためには、家庭・学校・職場・地域など、お子さんが関わるすべての場でサポートできるのが理想です。
そして忘れてはいけないのは、子供たちを丁寧に育むためには、大人たち自身の生きるためのバッファが必要だということです。
もし大人が、自分のバッファが不足していると感じるなら、すぐに手立てを講じて、自分のバッファを回復していただけたらと思います。
親自身の心身のケアも、広い意味で「育児」の一部ですから。
本日は以上です。
それでは、また。
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