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ボディイメージと認識力

目次

「頭で迎えに行く」頭皮のセルフケアでわかったこと

先日、頭皮のセルフケアを教わりました。

手のひらに溜めた化粧水を後頭部に塗る、というプロセスがあったのですが、このとき、手を動かすのではなく、「頭から迎えに行きます」。

つまり、化粧水がこぼれないように手の平行を保ちながら、頭を傾けて、後頭部を手のひらにくっつけるのですね。

これがですね、案外と難しい!のです。

うっかりすると手が傾いて化粧水がこぼれるし、思う箇所とは違うところに化粧水がついてしまったりします(^ ^;)

あなたも、お風呂に入るときなどにちょっと試してみてほしいのですが、手のひらにお湯をためて、手は動かさずに、頭のほうを動かして、後頭部のどこか意図したところを、手の中のお湯につけてみてください。

思った以上に難しいとお感じになるのではないかな~と思います(^ p ^)

実はあるようでないかも!?ボディイメージ

たとえば狙ったところを指し示すというときに、手で指し示すのは(日常動作に困りのない人ならば)とても簡単ですが、後頭部で指し示すというのは難しいですね。

首と頭にどういう角度をつければ、狙ったところが狙った通りに行くか、明確なボディイメージが必要になります。

療育で課題となるボディイメージ

療育でも、ボディイメージの育みは練習課題のひとつです。

たとえば、

  • 洋服や靴下をうまく身に付けられない
  • リュックサックや斜め掛けバッグなどをうまく背負えない
  • 物をよく落とす、壊す
  • 歩いていると人や物にぶつかる
  • 動きがやけにドタバタしている
  • 「不器用」「ガサツ」という評価を受けやすい

といった状態像が見られる場合、その子はボディイメージが希薄なのかもしれません。

こうしたお子さんには、狭いところをくぐり抜ける練習などを通して、「どこからどこまでが自分の身体か」を自分でしっかりマッピングできるようにサポートする支援がよく行われます。

自分の身体の輪郭・形・構造がわかってくると、物の輪郭・形・構造もわかってきて、たとえばリュックサックのどこにどう腕を通せばスッと背負えるのかがわかるようになりますし、このくらいの大きさの穴ならば足を通せるな、この通路を通るにはこう身体を動かせばぶつからないな、といったこともイメージできるようになっていきます。

背面は特に意識が薄い

わたしたち大人も、身体の後面は前面と比べてイメージが薄い人が多いです。

人は目が前面についていますので、どうしても前方に意識が行きます。

あなたも、手で何かを作業するとき、ほとんど常に身体の前面で行いますよね。

背中を意識するのは、背中がかゆいとか、お風呂で背中を洗うときくらいで、一日の大半は背中を無視した状態になっているのではないでしょうか。


現代社会の生活においては、前面をきちんと捉えられていれば基本的にはそれほど支障がないのですが、これがもし野生動物の世界であったら、どうでしょうか。

自分の後ろにも感覚が伸びていなければ、後ろから襲ってくる敵に対応できません。

360度の空間の中で自分を捉えることが本来のボディイメージのありようですから、実はわたしたち大人も、ボディイメージが十分に研ぎ澄まされているかというと、ちょっと疑問符がつく場合が多いのです。

ボディイメージと認知の関係

ボディイメージとは「自分の身体を自分自身がどう捉えるか」ということですが、それはそのまま、「自分の周囲に起こる出来事をどう受け取るか」ということにもつながります。

自分の身体に対する認識があやふやな人は、自分の周囲の出来事に対する認識もあやふやなのです。

たとえばリュックサックをうまく背負えない子は、物事の因果関係や文章の論理構造が理解しづらかったり、人間関係でトラブルを起こしやすかったりします。

複雑な環境に、どう自分の身を置けば、状況にフィットするかがピンと来づらいのですね。

また、自分の背面に対する意識が薄い大人は、自分の想定の範囲内の出来事(前から来る、よく見えるもの)には対応できますが、予想もしていなかった突然の出来事(後ろから来る、事前に見えないもの)には対応が難しかったりします。

ボディイメージを高める

そんな子供たちにも大人たちにもお勧めしたいのが、身体の認識力を高めることです。

特に、自分の意識が薄い箇所を気にしてみる、しっかり使ってみることがお勧めです。

たとえば背面の意識が薄い大人の方ならば、先述した、後頭部を手のひらにくっつけるワークの他に、

  • 前転・後転・ブリッジのような身体の後背面を使う動きを行う(腰や膝が悪い方は決して無理はせずに!)
  • ちょっと激しめのダンスを模倣する(簡単なダンスだと背中まで動かないことも)
  • 床に寝転がって腕を上げ下げ・脚を開閉する(それによって肩甲骨や骨盤が動くことを背中で感じてみる)
  • 腕を頭上に伸ばして床を丸太のようにゴロゴロ転がる(全身を満遍なく床で感じる)

といった活動がお勧めです。

たった一回こうした運動をしただけでも、背中側の認識は変化します。

背中の認識の精度が上がると、腕を回したときに大きく後ろまで回るようになるなど、身体の動きに変化が出ますので、ぜひチェックしてみてください。

そうやってボディイメージを整えていくと、少しずつ世界も変わっていきますよ。


本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。

無理に頑張らなくても
気づいたら自然とうまくいく

身体の原理原則を学べば
枝葉のテクニックに捉われず
その子の発達能力をできるだけ引き出す
関わりができるようになります

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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