こんにちは。三輪堂です。
面白く生きる連載、218通目です。

218-1 ▼ 頼むスキル

療育の大切なスキルのひとつに、「頼むこと」があります。

頼むことは誰にとっても重要なスキルですが、特別な配慮を必要とするお子さんは特に、

・集団生活の流れがわからなかったり、
・次に何をすれば良いのかわからなかったり、
・先生の指示が聞き取れなかったり、
・作業を難しく感じたり、

など、周囲のお子さんに比べてより多くの「困った」に直面することが多いものです。

そんなときに、自分から「~~がわかりません」「次はどうすれば良いですか」「手伝ってください」などと周囲にヘルプを求めることができると、ご本人も周囲もとても楽になります。

218-2 ▼ 頼むって難しい

ところが、頼むことやヘルプ要求を出すことは意外に難しいものなのですね。

どのタイミングで頼めばいいかの判断も難しいですし、その前段階として、そもそも自分が困っていることに気づかなかったり、大人に助けを求めればうまくいくという実感を持てていなかったり、自分から人に向けて発信するコミュニケーションが苦手だったり、ということもあります。

どの段階から練習すれば良いか、その子の現在地をしっかり見極めてサポートしてあげたいところです。

集団生活の流れの中で頼む練習をするのはなかなか難しいので、ご本人にとって頼みやすい状況・事柄を設定して練習していくと良いでしょう。

実際の生活の中では、たとえば先生の傍に立って「先生・・・」と小さく声をかけたり、「ねえ、これ・・・」と誰かの顔を見たりするだけでも、相手が気づいて質問を引き出してくれることもあるでしょう。
言葉でしっかりと「~~を教えてください」などと言えればベストではありますが、相手に伝わるためには、かすかなアクションを起こすだけでも十分なのです。

その子の性格や言葉の力、生活の状況などを考えて、ご本人にとって無理なく発信できるコミュニケーションを練習していけると良いですね。

218-3 ▼ 頼むことが持つ本当の意義

大人の中にも、頼むことが苦手な人は少なくありません。
あなたも、(わざわざ人に頼まなくても、自分でできることは自分でやってしまえば早い)、と思っていませんか?

人に頼むことで、その人の時間を奪ってしまうとか、自分のことで相手に迷惑をかけてしまうとか、ちょっとくらいなら自分が我慢しておけばいいやとか、そんな風に感じる方もいらっしゃるだろうと思います。

でも実は、「頼むこと」によって、相手と自分との関係性はさらに深まります。
身体が緩み、お互いが発信していることをより良く受け取れるようになります。
自分の中にこもるのではなく、相手を信頼して、お互いのエネルギーが交流し始めます。
お互いに独り言を言っていた人たちが、向かい合っておしゃべりを始めるようなものです。

何でもかんでも頼む必要はもちろんないのですが、

自分でもできるけど/自分が我慢すれば済むけど、あなたにこれをやってもらえたら助かる、楽になる

という場面がもしありましたら、ぜひ自分でやらずに、相手に頼むことをしてみてください。
きっとその先に、いつもと違う展開が待っていると思いますよ(^ ^)

本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。