457-1 ▼ 不器用さが表すもの
発達に特性のあるお子さんの困り感の一つに「不器用さ」があります。
生活のあらゆる場面で影響が大きいことだけに、相談に上がることも多いかと思います。
不器用さと聞くと、指先の細かい動きが苦手、運動が不得意、といったイメージが浮かびやすいかもしれません。
が、実はこれらの不器用さは、感情のコントロール、対人コミュニケーション、集団生活をスムーズに送ること、認知面の深まり、といった情緒的・社会的な課題とも深くつながっています。
457-2 ▼ 身体の軸
「不器用さ」は、身体の軸の確立と密接な関係があります。
たとえば、生まれたての赤ちゃんはふにゃふにゃで寝ていることしかできませんが、やがて首が座って頭を起こせるようになり、腰が立ってお座りができるようになり、身体の軸が少しずつ確立されていく中で、身体が安定して使えるようになっていきます。
体幹の発達が進むにつれて、末端部の発達も進み、指先を細かく動かす動作などもできるようになっていきます。
つまり体幹部の発達が未熟なお子さんは、手先の作業も苦手な傾向が強くなります。
身体の軸ができていないと、いわゆる「低緊張」の状態になります。
イスに座っていられない、ダランと姿勢が崩れる、といった様子が見られます。
自分で自分の身体を支えることができないと、正しい姿勢を保つことができず、頭を支えてものをしっかり見るということもできません。
457-3 ▼ 身体も社会生活も「身構え」から
「身構える」という言葉があります。
次に来ることを予測して対処できるようにする、といった意味合いです。
たとえば話している人のほうを向いて話に合わせる、活動の流れを予測して動くといったことも一種の「身構え」です。
対人コミュニケーションや集団生活には自然と「身構え」が発揮されています。
身構えることができるのは、身体の軸ができているからです。
姿勢や視点を保てない低緊張のお子さんたちは「身構える」ことができないので、話を聞けない、集中できない、次の流れが予想できない、自分の行動の調整ができない、といった課題が生まれてきます。
このように、身体面と社会面の課題はつながっています。
切り離して考えられがちな両者がつながっていることを指導者が認識するだけで、お子さんの様子の見え方が変わってくると思います。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
- 療育のセカンドオピニオンが欲しい方
- 一般的な療育支援分野とは違う角度からアドバイスが欲しい方
- 漠然とした不安や言葉にしづらい”何か”があってクリアにしたい方
ぜひ一度「オンラインセッション」にお声掛けください。
育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
うまく書けない・しゃべれないと思う方もご安心ください。
ゆっくり丁寧にあなたの中にある”何か”を引き出します。