818-1 先生との面談
前回は、自分の怒りと向き合う練習中の男の子のエピソードをご紹介しました。
彼は先生と1対1で面談をすることになりました。
この時点で男の子は、窓を割ろうとした行為は良くなかったと自覚・反省していて、この面談では先生に怒られるのだ、と感じていたそうです。
そこで先生は、まず、怒りを持つことは悪いことではない、怒ることで自分の心を守っているんだよ、と伝えました。
次に、怒りの感情の言語化を試みました。落ち着いた状態が1、怒りMAXで爆発した状態が5だとすると、2~4はどんな感覚? と尋ねてみました。
彼の返事は、「2は、1の倍くらいの感じで、3と4は無い」。
818-2 怒りの目盛りを細かくしていくことを目指す
おやおや、3と4はないのか、と驚きつつ、なるほどなあとうなずけました。
彼の場合、怒りをキャッチする目盛りが粗いのですね。
何かあるとすぐに大爆発につながるのも当然です。
気持ちの目盛りが細かくなればなるほど、自分の心の動きを繊細にキャッチでき、大爆発の前の小爆発で抑えられるようにもなります。
気持ちの言語化を、怒りの場面だけに限らず、丁寧に続けていくことが大切ですね。
実際に怒りMAXの5の状態になったときには、気持ちを発散するために、好きな本を見る、別室に移動する、パンチングマシンを殴る、などの手立てを提案しました。
ご本人は、どれも効果がありそうだけれど、5の状態になっていたら自分では気づけない、と言いました。
確かに、強い怒りに捉われているさなかには、部屋に移動することを脳裏に浮かべるのは難しいかもね、ということで、相談の結果「先生が肩を叩いて教える」ことに落ち着きました。
818-3 練習がうまくいきますように!
以上のことは今まさに現在進行形の話なので、この練習の結果、彼が怒りとどう向き合えるようになるかはこれからの話です。
想定したようには練習が進まないこともあるだろうと思いますが、それは大人でも同じですよね。
生きていくことは、絶え間ない微調整の繰り返しです。
彼が自分自身の心と向き合う手立て・スキルを身に着けて、健やかな人生を歩んでいけるように、心から応援しています。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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