719-1 悪いこと、良いことは目につくけれど
子供が悪いことをすると注意するのは、大人としてはわりと当たり前の行動です。
また、特別に良いことがあったとき(たとえばテストで100点を取ったとか、大会で優勝したとか)に褒めたり賞賛したりするのも、わりと当たり前ですね。
でも実は、一番大切なのは、何事もない平時の日々を承認してあげることです。
これができている人はあまりいません。
いわゆる「普通の」人、多数派、定型発達で困りのない人にとっては、これでそれなりに満足できます。
たいていの人に時々は「良いこと」が起こるからです。
719-2 良いことを探そうとしている
定型発達の人なら、生活の中で、努力に見合ったなんらかの成果をおさめられることが多いですよね。
たとえば子供ならテストで前回間違った問題を今回は正解するのはそんなに難しくないでしょうし、大人にだって思い返せば1週間のうちに1つや2つは「良いこと」が起こるでしょう。(茶柱が立ったとか、お得に買い物ができたとか、仕事がうまくいったとか・・・)
でも、発達に偏りがあるなどの少数派の人は、生活の中で起こる「良いこと」が圧倒的に少なくなります。
集団生活についていくだけで精一杯だったり、不適切行動で他者の関心をひくことを誤学習していたり、自発的な行動が少なかったりして、他者からの関わりが指導や叱責などのネガティブな空気をまとうものが中心になります。
こうした人と関わるとき、関わる側の人は「褒めるところが見つからない」などと言ったりします。
それは「良いこと」を探しているからです。
719-3 当たり前の状態に目を向ける
その前に、「何事もない、当たり前の状態」に目を向けましょう。
承認しましょう。
良くも悪くもない、普通に過ごしている状態を、そのまま受け取りましょう。
これができるようになると、育児療育中の親御さんは、お子さんとの関わりが大きく変化するはずです。
定型発達の人の生きざまも変わります。
むやみやたらにエンジンをふかして、無理して頑張って、刺激を求め続けなくても、安定して過ごしていけるようになります。
自分にとって良いと思えること、自分にとって悪いと思えることだけを拾い上げて、自分にとって当たり前のことを無視している。
そんな自分に気づくだけで、育児も家事も仕事も人間関係も、全部少しずつ違ったように見えてくるかもしれませんよ。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
- 療育のセカンドオピニオンが欲しい方
- 一般的な療育支援分野とは違う角度からアドバイスが欲しい方
- 漠然とした不安や言葉にしづらい”何か”があってクリアにしたい方
ぜひ一度「オンラインセッション」にお声掛けください。
育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
うまく書けない・しゃべれないと思う方もご安心ください。
ゆっくり丁寧にあなたの中にある”何か”を引き出します。