378-1 ▼ 感覚的な特性から来る怒りの例
感情、特に怒りのコントロールが難しいお子さんがいます。
療育的なアプローチとしては、頭ごなしに注意するのではなく、お子さんの怒りがどこから来ているのかを見極めたサポートを心掛けたいものです。
今回は、お子さんの怒りの根っことして考えられるいくつかの要素と、対応例をご紹介します。
感覚的な特性
五感が鋭すぎることがイライラや怒りにつながることがあります。
光がまぶしい、音がうるさい、肌触りが不快だ、においが不快だ、、、
といったように、強すぎる刺激が感情を乱します。
このようなときは、刺激を遮断して和らげてあげることが一番です。
と同時に、一人で静かになれる場所を用意する、自分の苦痛を表現して受け入れてもらう体験を蓄積する、といったサポートを行いましょう。
感情が一気に沸点に達すると、場所の移動や言葉での表現など到底間に合わず、発作的に怒りを爆発させてしまうことがあります。
最初のうちは大人がお子さんの様子を見守って、イライラが溜まり始めてきたなと思ったら部屋の移動を促すなど、丁寧に関わっていくと良いでしょう。
378-2 ▼ 認知特性から来る怒りの例
認知特性
情報を処理する力のばらつきや、情報を覚えておく力の弱さなどが、周囲の状況の正確な理解を妨げ、怒りにつながることがあります。
たとえば以下のようなお子さん(※仮想事例です)の場合。
・見て理解する力は強いけれども聞いて理解する力が弱い
・暗黙のルールを見て取ったり全体的な状況を俯瞰したりする力が弱い
・聞いたことを覚えておく力が弱い
■目に入るものの印象が強いがその意図を正しく理解できない
⇒ お友達がニコッと笑いかけたときの口の動きが強烈に印象に残り、自分をバカにしていると受け取ってしまう
■一度にたくさんのことを言われると聞き取れない
⇒ 情報は断片的にしか耳に残らず、それを自分の思い込みで繋ぎ合わせてしまうため、状況を誤解してしまう
このような事態に陥ります。
ご本人にとっては自分なりの正義の中にいるのですが、周囲から見るとそれはちょっとズレていて、トラブルに繋がってしまいます。
まずは周囲がお子さんの認知特性を正しく理解すること、その特性に応じてご本人に伝わりやすい伝え方を工夫すること、他者の視点を理解できるようSST等に取り組むこと、といったサポートが考えられるでしょう。
378-3 ▼ チームを組んで冷静に穏やかに
これらはあくまでも一例であり、実際には個々のお子さんの様子を丁寧に見つめながら個別の対応を工夫していくことになります。
お子さんの怒りにぶつかると、相手をする大人のほうも反射的に、怒り、不安、恐れなどの感情が湧き出すものです。
親子だけ、担任と生徒だけ、といった狭い輪の中ではなく、多くの第三者が関わり合えるようなチームを組んで、冷静な視点を保ちながら穏やかに練習を進めていきましょう。
ブログでは文字数が限られるのでご紹介にも限りがございます。
個別具体的なご相談はオンラインセッションまでどうぞ(^ ^)
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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