こんにちは。三輪堂です。
面白く生きる連載、73通目です。
73-1 ▼ 左右の前に上下
ここ数日、身体の左右の違いについてお伝えしています。右手と左手、右足と左足をうまく動かし分けることが苦手なお子さんは、身体の捉え方が不十分になりがちで、すなわち自分を取り巻く社会の捉え方も曖昧なものになってしまう、ということを書かせていただきました。
身体の右と左を上手に認識できるようにするには、まずその前段階として、身体の真ん中を意識する必要があります。
生物の進化においても、くらげのような上下運動を行う生物から、魚のような左右の動き(尾びれを左右にくねらせて泳ぐ様子を想像してください)を行う生物に進化が進みました。
人間も、まずは身体の正中線(上下)がはっきりしてから、その右側と左側ということで左右の認識が深まります。
73-2 ▼ 左右の使い方の違い
療育の現場では、身体の左右を上手に使えるようにするために、たとえばスケートボードのようなものに胴体を載せて、両手で交互に地面をかいて進む運動を行ったりします。
ところで、昨日は、身体にはもともと左右差があるという話をしました。
右側は出る働き、左側は引く働きです。
試しにちょっとやってみていただくとわかると思うのですが、ボードにお腹を載せて両手で地面をかく(という体で、布団に腹ばいになって手を動かしてみてください)時も、右手と左手の力の入り具合は同じではありません。
右手は、ぐっと前に突き出す時に。
左手は、後ろにかく時に。
それぞれ、力が入りやすいはずです。
逆に、右手を後ろにかく時に・左手を前に突き出す時に力を入れようとすると、妙に腕の筋肉が張ったり緊張したりするはずです。
手だけでなく足の使い方でも左右の違いをわかりやすく体感できるのですが、それはまた別の機会にお伝えするとして、、、
73-3 ▼ それぞれの役割
このように、身体の各パーツにはそれぞれ役割の違いがあります。
身体のパーツのどの一つとして無駄についているものはなく、そのパーツだけが担う役割があり、他のパーツと協力し合って身体を形づくっています。
身体の原理原則は、人がこの身体を使って生きている以上、人が行うすべての活動に共通します。
たとえば人間関係、社会生活においても同じです。
どんな人の存在にも意味があり、その人だけが担う役割があり、他の人と協力し合って社会をつくっています。
小学校の1つのクラスの中で。家庭という単位の中で。企業で、地域社会で、国家で。
どんな規模の社会生活においても、この原理原則が通底しています。
すべてのパーツには意味があり、そのパーツだけが担う役割があり、他のパーツと協力し合って一つの世界をつくっているのです。
あなたにもぜひそのことを体感し実感していただけたらなと思っています。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。