974-1 子供が学校に行きたくないと言ったら親はどうすべきか?
学校に行きたくない、と子供が言い出したとき、親として何と言ってあげればいいのか?
こんな質問をよくいただきます。
親御さんにとっては、ものすごく不安になる状況ですよね。
個々の状況によってかなり変動しますので、一概にお返事するのは難しいのですが、身体の原理原則から考える【大原則】を2つ、書いてみます。
974-2 行き渋り・不登校に対応する2つの大原則
原則1:お子さんの思いを大切に
一番の基本は、【まずはお子さんの思いを大切に】です。
学校に通うのは親ではなく、子供本人です。
基本的に子供の思いを尊重する。
親の感情を押し付けない。
これを大切にします。
時と場合によっては、この原則の反対をやるべきときもあります!
そのへんはもう完全に個別対応のお話になるので、ご相談ください。
たとえばお子さんが学校に行きたくないと言うなら、なぜ学校に行きたくないのか、理由を探ってみましょう。
お子さんに直接話してもらえるとベストですが、無理に聞き出さなくても大丈夫です。
学校の先生にも事情を話して様子を聞いてみましょう。
親御さんが自分で学校に行って様子を見るのも、とても良い方法です。
そうして情報収集しながら、たとえば行事の練習がきつくて疲れたとか、授業についていけないとか、お友達と折り合いが悪いとか、具体的な理由が出てくる場合は、それを緩和するアプローチを取り入れて、様子を見るのが一つの手です。
あるいは、具体的な理由は特に思いつかないんだけれども、なんとなく嫌、なんとなく疲れてしまった、という場合もあります。
そういうときは、お子さんの生活全体の中で、お子さんのエネルギー・活力を消耗させている何かがあるはずです。
生活全体を見直しつつ、お子さんの身体と心を整えるアプローチが必要になります。
このように、お子さんの思いを探りながら、見えてきた課題に対して一つずつ個別具体的に対応していくのが、一つ目のステップです。
ASD傾向のあるお子さんは、習慣的な行動に固着したり、自分からは外部の世界に出ていく希望を持たなかったりすることがあります。
その場合、第三者がほどよく背中を押したり、外界への扉を開いてあげたりする必要があります。
お子さんの希望をただ聞いているだけでは物事が動かない場合もあるということも念頭に置いておいてくださいね。
原則2:親自身の思いも大切に
次に忘れてはいけないのは、【親自身の思いも大切に】です。
不登校や行き渋りは「家族全員が関わるもの」です。
家族全員が納得する着地点を探すのがベストです。
ご両親だけでなく、兄弟姉妹や祖父母など、育児に強い関わりのある人の思いは一通り確認しておくことをお勧めしています。
たとえばお子さんとお母さんはフリースクールに行こうというところで納得しつつあるけれど、お父さんは頑なに今の学校に通うことを主張する、といった場合。
この状況では、フリースクールにせよ今の学校にせよ、どちらの方向に進んだとしても、家族の感情にしこりが残ります。
いつか何かのことでそのしこりが大きくなって、より大きな課題に発展してしまうこともあります。
三者が納得する着地点にたどり着かないとうまくありません。
家族全員で、時間をかけて話し合いを重ねて、全員が「これならまあいいかな」と思える着地点を探してみてください。
974-3 答えはご家族の中にしかない
こういうご家庭はむしろ悩まない
不登校や行き渋りで悩んでいる親御さんは、なんというか、ふわっとした悩みを感じていることが多いんですよね。
何がなんでも絶対に学校に行くべきだ! と強い信念を持っている大人は、むしろ悩みません。
子供のほうも、絶対学校なんかに行かない! 自分にはやりたいことがあるんだ! と強い意志を持っている場合は、親も早々に諦めがつきますし、実際にご本人が望む方向に進んでもらったほうが良い結果につながることが多いです。
捉えどころがないから悩む
でも、多くのご家庭では、子供のほうにもそこまで強い何かがあるわけではなく、漠然と学校に居心地の悪さを感じていますし、
大人のほうも、できれば学校に行ってほしいけど、でも子供に無理させたくないし、といって家でゲームばっかりしてるのもどうかと思うし、こんなことで将来大丈夫なのかな、、、みたいな、捉えどころのない悩みを感じています。
そういうときの答えは、ご家族の心と身体の中にしかありません。
答えを見つけるヒントは、やり切るところまでやってみること
人の身体は、やり切るところまでやってみると、ふっと自分にとって自然な位置に戻る性質を持っています。
やり切る前に、途中で方向転換した場合は、未消化のエネルギーが残ります。
- なんとなくの後悔
- なんとなくモヤモヤした感じ
- なんとなくの違和感
そういう形になって心の中にわだかまるはずです。
その状態では、身体からの答えは出てきません。
答えを出すには、まずはやり切ってみることです。
たとえば、子供は学校に行きたくない、だいぶ無理を重ねてかなり疲れ切っている・・・という状況で、でも親の中には学校に行ってほしいという気持ちが残っている場合、多少の無理を押してでも、子供に一回、親の気持ちを押し付けてみてください。
そんな状況で親が無理を押し付けたら、子供は反発して爆発したり、無理が限界を超えて倒れたり、するかもしれません。
それでも、実際にやってみることが大事です。
頭で(こんなことをやったら子供が苦しむだろう)と考えて、行動する前に止める、ということを続けていると、親の中のエネルギーは停滞したままです。
子供が大爆発して、一時的に親子関係が険悪になったとしても、親も子も自分のエネルギーを「やり切るところまでやってみる」と、状況は確実に前に進みます。
その先に、必ず親子関係の次のステージが待っていますので、あなたとお子さんを信頼して、思い切って踏み出してみてください。
まとめ:2箇条を忘れずに、家族の中間の着地点を探す
【まずはお子さんの思いを大切に】
【親自身の思いも大切に】
この2箇条を忘れず、家族全員のちょうど中間の着地点を探すようにしてみてください。
明日の夜22時からのZOOMライブでは、そのへんのお話もさせていただく予定です。
へやすぽアシスト コラボライブ第2弾!
9/29(金) 22:00~22:30
理学療法士まさやコーチとお話しします
子どもへの向き合い方
~不登校/行き渋りのお子さんを持つ親御さんへ~
当日参加orアーカイブ視聴、どちらの場合もお申込みください
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。