617-1 ▼ 感情労働
「感情労働」という言葉があります。
相手の満足を得るために自身の感情をコントロールし、常に模範的で適切な言葉・表情・態度で応対することを求められる労働のことを言う、とされています。
具体的には、飲食店のフロアスタッフ、受付スタッフ、看護師、客室乗務員、カウンセラー、クレーム対応のオペレーター、営業スタッフ、保育士、教師、といった職種の方が当てはまります。
こうした職に従事されている方は、常に自分自身の感情をコントロールし、時には自分の自然な感情を封印してでも、相手に合わせた言葉や態度で応対することが求められています。
- コミュニケーション能力が高い
- いつも感じが良い
などと職場で評価される方は、感情労働に優秀な成績を収めていると言えるでしょう。
617-2 ▼ 自分の感情をコントロールしすぎると
こうした感情のコントロールは、どんな社会においても、ある程度までは必要でしょう。
少なくとも、相手をむやみに攻撃したり不快にさせたりするような態度・表情・言動は、控えたほうが良いと考えます。
その一方で、自分の感情を過剰にコントロールし、抑え込んでしまうことで、精神的な不調につながる弊害も指摘されています。
職業人だけでなく、学校という社会を生きる子供たちも同様です。
周囲に合わせすぎて自分の感情を見失う子、頑張りすぎて燃え尽きてしまう子、鬱屈した感情が爆発する子など、心の問題を抱える子供たちは少なくありません。
身体の原理原則では、心身の働きがもっとも自然に引き出されるのは「まず自分自身の居心地の良さを大切にしたとき」です。
感情労働に優れた人たちは、相手の居心地の良さのために、自分自身の居心地の良さの追求を後回しにしている、とも考えられます。
それは素晴らしい技術だとは思いますが、身体の原理原則から見ると、もっと良い在り方が明確に存在します。
617-3 ▼ 自分も相手も居心地良くいられる場を
もしあなたが、感情労働に従事している方であったり、自分の居心地の良さを犠牲にしていると感じる場面があったりするならば、ぜひ、自分自身の居心地の良さというものをもう一度振り返ってみてください。
人の和は、相手だけでも自分だけでも成立しません。
自分も相手もそれぞれ居心地良くいられる地点がきっとあるはずですから。
どうしてもそれがどこにあるのかわからない場合は、どうぞ三輪堂のバランスセッションにいらしてくださいね。
ご一緒に「あなた自身の居心地の良さ」を辿っていきましょう。
余談ですが、感情労働は比較的新しい概念です。もしこの概念についてお調べになる場合は、ぜひ複数の書籍やサイトをご覧になることをお勧めします。
たとえばウィキペディアの「感情労働」の項目は、間違いではないものの、やや偏った表現であるように感じられます(H22.5.17現在)。
ウィキペディアの執筆者は必ずしも訓練された専門家であるとは限りません。複数の情報を冷静に比較して、ご自身なりに概念を捉えていただければと思います。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
自分の身体からの答えを知りたい方へ
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