558-1 ▼ お兄さんの感情コントロールについてのご相談
- 高学年の兄と低学年の弟
- 兄は繊細で神経質、弟はおおらかでのんびり
- 兄は感情のコントロールが苦手
- 休日に弟が公園に行きたがるが、兄は行きたくない
- それなら弟だけ行って兄は家にいればいいと言うと「弟が行くなら自分も行かなければいけないんだ」と怒り出し、お前のせいだと弟に乱暴する
- それを見て親も怒り、大喧嘩になる
こんなご相談がありました。
人の心の動きや、兄弟姉妹どうしの関わりについて、多くの方のご参考になる事例ではないかと思いましたので、ご相談者様にご快諾いただき、こちらでシェアします。
558-2 ▼ まずは話を聞く
「弟が公園に行くなら自分も」というお兄さんのルールは、ご本人には何かしら意味のあることなのでしょうが、現実的には、必要に応じて別々に行動できたほうがお互いに楽になりますね。
親御さんのお話を総合すると、お兄さんのマイルールは、絶対に曲げられない強いこだわりではなく、軽い自縄自縛に陥っているような感じかなと想像できました。
お兄さんは、弟さんや親御さんとケンカしているのではなく、自分の心と戦っているのだと思います。
まずはお兄さんの気持ちに寄り添って、心を縛っている縄目をゆるめてあげられたらいいなと思います。
大人は、状況を解決しようとせず、ただ話を聞くだけ、ただ受け取るだけで十分です。
ご本人が自分で自分の心の縄を解くことを焦らず待ちましょう。
お兄さんが怒って暴れるときは、お兄さんを叱るのではなく、弟さんをかばってあげていただけたらと思います。
こういうとき、親御さんがお子さんを叱ると、ご本人の感情はますますヒートアップするはずです(こちらのご家庭では事実その通りだそうです)。
この場合、親御さんが叱ることは、お子さんの心の縄目をますますきつく締め上げるようなものです。
それは悪いことではなく、心の輪郭を明確に浮き彫りにすることに役立ちますが、今は縄目を解放したい場面なので、そっとしておいてあげるほうが効果的でしょう。
558-3 ▼ 状況を解決しようとしなくていい
弟さんに対しては、まずはお兄さんの暴力から遠ざけてあげましょう。
年齢的に無理なく理解できる範囲で良いので、弟さんにも状況を説明してあげられると良いでしょう。
弟さんが自分を責めたり、お兄さんに反感を持ったりすることも大いにあり得ることです。
その感情を否定せずに受け止め、親御さんがご兄弟を大切に思っていることを伝えてあげてください。
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子供の感情が乱れると、大人もつられて感情が揺れ、なんとか状況を解決してあげたいと感じます。
でも、大人が思う「解決」と、子供たち自身の心が選ぶ「解決」は、微妙に異なります。
大人は、まずは子供の話を聞き、彼らが自分で心に折り合いをつけることを応援することに徹しましょう。
そうすれば、状況は自然と整っていくはずです。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
無理に頑張らなくても
気づいたら自然とうまくいく
身体の原理原則を学べば
枝葉のテクニックに捉われず
その子の発達能力をできるだけ引き出す
関わりができるようになります