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ADHDについて知ろう その3

目次

546-1 ▼ 現実的に状況が整うサポートを

前回は、ADHDの人が感じる5つの代表的な苦手さをご紹介しました。


感情的に叱ったり、「ちゃんとしなさい」と漠然と注意したりするだけでは、こうした状態は改善されません。

お互いに理解し合い、現実的に状況が整っていくようなサポートを工夫したいものです。

前回の学校生活の事例をもとに、サポートの一例を挙げてみます。

546-2 ▼ 学校生活でのサポートの一例

1.じっとしていることが苦手

我慢させるのではなく、発散する時間を取ることが大切です。
休憩時間中には思い切り身体を動かしましょう。
授業中に我慢できない時はリフレッシュスペースに行く等の方法をクラス全員で合意しておけると理想的です。

イスの座面に不安定なクッションを置いたり、足裏でゴツゴツしたものを踏んだりして刺激を与えると、座り姿勢を維持しやすいことがあります。

2.気が逸れやすい

穏やかに声をかけて(叱責ではなく)注意を引き戻します。
指導者が話し方に強弱をつけたり、黒板のどこに注目すればいいのか視覚的なサインを強化したりできると理想的です。

3.目先の利益を採用しがち

なぜ今これをやるのか、将来どのように良いことがあるのか、物事の因果関係をわかりやすく整理して伝え続けましょう(一度で納得できることは少ないです)。
褒めるときはできるだけ即時に行うと、活動の成果を感じてもらいやすくなります。

4.忘れ物が多い

メモを取る、スマホのリマインダー機能を活用するといった習慣がつけられるよう練習しましょう。
忘れてしまったときには誰かに借りる、お道具箱に予備を置いておく、目につきやすいところに片づけるなど、現実的な処世術も複数身に着けておきたいものです。

5.整理整頓が苦手

整理しやすい道具や手立てを工夫しましょう。
人によって取り組みやすいと感じるやり方が違います。

持ち物の整理では、プリントはとりあえず全部ファイルに入れる、筆箱を大きなポーチに替えて何でも入れておく等、「とりあえず全部ここに入れる」系の発想だとうまくいく人が多いようです。

教室の掃除などは、手順を明確化した上で、ゲーム形式で速さや正確さを競うといった工夫も良いかもしれません。

546-3 ▼ 全員にメリットがある

こうした工夫が効果的なのは、ADHDのお子さんに限ったことではなく、クラスのすべてのお子さんにも当てはまります。

注意したいのは、こうした支援が「不公平感」や「異分子の排除」といった空気につながらないようにするということです。

たとえば座っていることに耐えられなくなった時に別室に移動する、といった支援では、見え方が一歩ズレると、、、

「あの子だけ授業中に外に出てずるい」
「自分だって我慢しているのに」
「うるさいアイツが出ていってくれるおかげで授業に集中できる」

などなどの発想にもつながりかねません。

なぜそうした支援が必要なのか、その支援によってその子は何が得られるのか(と同時にどんなデメリットがあるのか)、もし不満を感じる場合はどうすれば解消できるか、等々を忌憚なく話し合い、誰もが自分にとって無理のない形で負担感なく学習に参加できるのだということを全員で納得できるのが理想です。

もちろん、こうした話し合いは一朝一夕では成立しません。
が、それに向けた地道な取り組みを続けることが、一人ひとりの個性を認め合い支え合う土壌につながり、子供たちの人生を豊かに耕していってくれることでしょう。

特別な配慮が「特別」ではなくなるような環境を目指して、皆で一歩ずつ進んでいけると良いですね。


本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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