こんにちは。三輪堂です。
面白く生きる連載、174通目です。

174-1 ▼ 療育的なお金の教え方・学び方

今回はお金の使い方について書いてみます。

わたしが療育の仕事で初めて気づかせてもらったことの一つに、お金の使い方という課題があります。

自分自身はなんとなく身に着けてなんとなく使ってきたお金ですが、さてお金を学ぶ・教えるということになると、非常に課題が複雑で、抽象度に幅があるのですね。

たとえば、療育的にお金の使い方を教えるというと、まずは現金の使い方を教えるということになります。言ってみればここは最も具体的なステージであり、であるからこそ、(大人にとっては)わかりきった概念をかみ砕いていく、理解の階段を細かく区切っていくことが肝要です。

療育的なお金の指導では、最低でも3桁の計算をできるようにするとか、額面と個数の概念のズレを飲み込むとか(1円玉は3個で3円なのに10円玉は3個で30円になるといったように、同じ個数なのに金額が違う)、お釣りの考え方を学ぶとかといったようなところで、つまり数字の概念を操作する指導がまずあります。

このあたりの難しさは、その方の数を扱う力や概念を理解する力にもよるため、相手に合わせた支援ツールを活用するなどして、わかりやすい伝え方を工夫していく必要があります。

また、お金を実際に使ってみる練習も必要不可欠ですね。

必要な商品を選ぶ、予算内で収める、レジでやりとりする(今はセルフレジだのカード専用レジだの、店舗によってもやり方が多種多様です)、などなどは定番の指導ですが、たとえばどういう動線で動けば効率よく買い回りができるかとか、レジで予算オーバーに気づいたらどうするかとか、その方の経験やスキルややりとりの力に応じて、お伝えしたいことはたくさんあります。

174-2 ▼ お金の捉え方は千差万別

お金というものは、個人の経験の範囲の中でさまざまな捉え方ができるものでもあります。
当たり前に社会生活を送っている一般的な成人でも、お金という概念の受け取り方には個人差があります。

たとえば先日、知人から聞いて驚いたのですが、彼はコンビニのレジ横にある募金箱を、「余った小銭を捨てる場所」だと思っていたのだとか。だから、買い物をしたお釣りをほぼ毎回、募金箱に入れて店を出ていたのだそうです。良いのか悪いのか・・・ですね(^ ^;)

また、お金は、クレジットカード、デビットカード、交通系ICカード、〜〜ペイのような電子決済といったように、現金以外の流通の仕方があります。
クレジットカードはいくら使ったかわからないから現金払いが好きだとか、〜〜ペイはなんとなく不安だから使っていないとか、そんなご意見をよく聞きます。あなたの周囲にもそういう方がいらっしゃるかもしれません。

お金の払い方でも、湯水のように使う人もいれば、すごく慎重に使う人、使うことに恐怖心を抱いている人、喜んで使う人もいて、実に差があります。

ことほどさように、お金に対する捉え方というものは、千差万別、人によって全く違っているのですね。

174-3 ▼ 抽象度の高いお金の使い方

お金の価値との付き合い方を伝えていくことも大切です。
お金に執着してしまうとか、後先考えずに使ってしまうとか、誰かに気軽にあげてしまうとかといったように、付き合い方の密度が過剰だったり過少だったりする場合は、やはり健全な社会生活のためには支援者が介入してあげたほうがいいだろうと思います。

たいてい、お子さんのお金の使い方は、親御さんのお金の使い方の流れを受けていることが多いように思います。
親御さんも、そのまた親御さんからお金の使い方を受け継いでいます。
だからこそ、お金のご指導は難しいなあと思う所以でもあります。

こんな風に、お金の教え方・学び方は、実に幅広いステージにわたっています。
療育的なお金の教え方を知りたい方は療育の個別相談としてメッセージをいただければと思いますが、いま、一つだけ、より抽象度の高いお金の使い方について何かお伝えできることがあるとすれば、

【喜んで使う】
【感謝して使う】

まずはここに尽きるのかなと思います。
こうやっていれば、お金の本当の顔が少しずつ見えてくると思います。

本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。