367-1 ▼ 不安で頭がいっぱいになってしまうお子さん
不安でいっぱいになると、それ以外のことが何も考えられなくなってしまうお子さんがいます。
たとえば何かの発表会とか、試験とか、運動会とかといった、ご本人にとって少なからず緊張を強いられるイベントの前になると、もうそのことで頭がいっぱいになってしまって、
(失敗したらどうしよう)
(徒競走で転んだらどうしよう)
などと悶々と悩み続けて、他のことに手がつかなくなる、といった様子が見られます。
367-2 ▼ 感情を整理する3つの観点
こういった不安や緊張のコントロールが上手にできるようになると、ご本人も周囲の方々も気が楽になり、毎日が過ごしやすくなりますね。
今回は、ある程度感情の言語化ができる方、抽象的な思考ができる方向けの、感情のコントロールの取り組みをご紹介します。
自分の感情に対して、以下の3つの観点から整理してみましょう。
- 今、何が不安(緊張する)か
- その出来事のどこがどんなふうに不安か
- 不安を0~10で評価するとしたら数字はいくつか
不安で頭がいっぱいになってしまう子は、不安の実態というよりは、漠然とした不安の影に捉われていることが多くあります。
さらに、不安そのものを「0か100か、白か黒か」で捉えがちで、中間の曖昧な捉え方ができていない(どころか、そんな考え方があることを思いつきもしない)ことがほとんどです。
367-3 ▼ 不安の輪郭がわかれば対処できる
でも、実は自分の感情をよく見つめ直してみると、Aについては不安がMAXだけれど、Bはそれと比べればちょっとはマシ、といったように、一言で「不安」と言ってもさまざまな姿かたちをしていることがわかってきます。
たとえば室内で火事が起きた!というようなときに、火元がわかっていればそこに消火器を向けることができますが、煙が充満して何も見えなくて、もちろん火元がどこかもわからないような状況では、もう逃げるしかありませんよね。
不安に対処するというのも、これと同じことです。
不安を取り巻く状況を丁寧に認識していくことで、「よくわからないけれどもただただ最大級に不安(だから逃げるしかない)」だったものが、「Aは〇〇というところが8割不安、Bは△△というところが5割不安(だったらBの△△なら何とかなるかも?)」といったように、不安の輪郭をなぞりながら感情を整理することができます。
そうなると対処もしやすくなり、不安そのものの捉え方が少しずつ変わってきますよ。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
- 療育のセカンドオピニオンが欲しい方
- 一般的な療育支援分野とは違う角度からアドバイスが欲しい方
- 漠然とした不安や言葉にしづらい”何か”があってクリアにしたい方
ぜひ一度「オンラインセッション」にお声掛けください。
育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
うまく書けない・しゃべれないと思う方もご安心ください。
ゆっくり丁寧にあなたの中にある”何か”を引き出します。