645-1 自分の中ではなく、周囲の環境から探す
社会生活に過ごしにくさを感じているお子さんに、生活のどんな部分に困りを感じているのか、ご本人の言葉で表現してもらうことがあります。
お子さんにとっては課題を言語化し、客観視する機会になりますし、周囲の大人にとっては、お子さんが感じている課題を共有し、大人から見た問題とのすり合わせを行い、解決策をともに探していく機会になります。
お子さんに困りごとを尋ねるときは、困りごとを自分の中に探すというより、
周囲の環境の中から、自分が困ること・やりにくいことを探してもらう
ほうが、うまくいくことが多いようです。
645-2 どこに探すかで、見え方や表現が変わる
自分の中に課題を探そうとすると、
自分にやる気がないから
自分の能力が足りないから
自分がバカだから(※心の痛む言葉ですが、残念ながら子供たちからはよく出てくる表現です)
といったように、自分を責める言葉になりがちです。
自分の弱さや苦手さと直面することになって心が苦しいですし、建設的な解決策も見つかりません。
そもそも内面世界を言葉で表現すること自体がかなり難しい作業ですから、うまく表現できないお子さんのほうが多数派です。
一方、周囲の環境を見て・聞いて表現することは、比較的簡単で、かつ具体的です。
音がうるさいから
先生がすぐ怒るから
イスに座っていると疲れるから
などなど、建設的な解決につながる事象がたくさん見えてきます。
645-3 自分を外在化する
パズルの穴にピースが嵌まらないとき、嵌まらないピースに向かって「お前の能力が足りないからだ」と責めはしないですよね。
どれかのピースがおかしいわけではなく、ただ凹凸が噛み合わないだけです。
ピースがどこに嵌まるのか、凹凸の様子を見て取るのには、ピースそのものを見る方法もあれば、穴のほうを見る方法もあります。
どちらを見たとしても、結局は同じ凹凸を見ているわけです。
それなら、見やすいほうを見るのが得策です。
自分の周囲の中から課題を探すことは、結局は自分の課題を見つけることにつながります。
自分を見つめて内省するのも大切ではありますが、同時に、周囲の環境の中に要因(=自分自身の輪郭の反映でもある)を探してみるという視点も、一つの方法として持っておいていただけたらなと思います。
本日は以上です。
それでは、また。
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