635-1 手指の発達の段階
今回も、手の発達についてです。
手で細かい作業をする時は、主に親指・人差し指・中指の3指を使います。
薬指と小指は、3指を支えるための役割に回ります。
3指の使い方にも段階があります。
最初は関節を固めて強く押さえつけるような使い方から、徐々にそれぞれの関節が細かく協力し合って動くようになっていきます。
3指を滑らかに使いこなせる状態まで来ると、手先が不器用とは思われにくくなることが多いようです。
親指側の3指と残りの2指の役割分担は、まずは5本の指と手のひらを十分に使いこなすことによって生まれてきます。
そのためには、自分の手の状態を脳が明確に把握して、その情報をもとに効率の良い動きを組み立てる(身体図式)ことが必要です。
この身体図式を育むために、今回は「3.手指のイメージを育む」遊びをご紹介します。
今ご覧になっている記事は、手の運動が育つステップを6つに分けて説明しているシリーズ記事の4回目です。
最初から読む場合はこちらから。
635-2 手指のイメージを育む遊び
どの指に触った?
手を隠すか目を閉じて、手がご本人に見えないようにして、大人が子供の指を1本ずつ触ります。
どの指に触れたか当てっこしましょう。
根本から指先にかけて触れていく、指先をつまんで軽く引きながら小刻みに振動させる、軽く引っ張りながら指先からスポンと抜く、など、刺激の種類を変えると良いでしょう。
指の身体図式を作ってくれます。
粘土にぎにぎ
粘土に指を差し込んで穴を開けたり、握りつぶしたりしてみましょう。
穴を開ける時も、指の種類や本数、差し込む角度などによって感覚がそれぞれ違います。
粘土の弾力によって筋肉にほど良い抵抗が生まれ、指の動きを感じ取りやすくなります。
指の身体図式を作ってくれます。
サイコロまわし
大型のサイコロを手のひらに置いて、大人が指定した数字が上を向くように手のひらと指の全体を使って面を回します。
複数のサイコロを使うと、1つを固定しておいてもう1つを動かす指先の使い分けが練習できます。
手と指全体を使いこなす練習です。
指先でものを回す
ある程度重みのある様々な形のもの(お手玉、ジュースの缶、絵本、コップ、等々)を5本の指先で支えて水平に回転させます。
5本の指を連動させながら別々に動かす練習です。
スポイトお絵描き
スポイトで色水を吸って、1滴ずつ垂らして絵を描いてみましょう。
3指を慎重に、適切な力加減で動かす練習になります。
635-3 身の回りのものはすべて
このほかにも、昔からある指遊び・手遊びや、市販されている「手を使う遊び」のおもちゃは、おおむねこの段階から先のお子さんの手の力をさまざまな角度から高めてくれると考えて良いでしょう。
市販のおもちゃは特に3指を使いこなす力を養ってくれるものが多いですね。
また、洗濯ばさみ、鍵、硬貨、ボタン、紐、ジッパーなど、身の回りのものを指先で操作することはすべて手指の発達を促してくれます。
本日は以上です。
明日は「4.感度の良さと力加減を育む」遊びについてご紹介します。
それでは、また。
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