468-1 ▼ 公園で出会った親子さん
先日、公園で遊んでいる親子さんを見かけました。
小さな赤ちゃんを抱っこしたお母さんが、元気いっぱいのお姉ちゃんと弟くんを追いかけています。
お母さんが声をかけても、お姉ちゃんと弟くんは一向に帰ろうとしません。
お母さんが少しずつ焦れていくのが手に取るようにわかります。。
「そろそろ行くよ」
「もう行くよ」
「早く行くよ!」
と、お母さんの言葉が変わっていきました。
それに伴って表情も口調もどんどんトゲトゲしくなっていきました。。
わたしもよそながら(子供たちよ、早くお母さんのところに行ってあげてくれたまえ…)と念じながら見守っていたのですが、
この親御さんの言葉の使い方と段階的な変化がとてもわかりやすかったので、印象に残りました。
468-2 ▼ 非言語コミュニケーションがつなぐもの
親御さんの言葉は、
「そろそろ」→「もう」→「早く」
と、強調の度合いが強まっています。
こうして大人は自然に言葉を使い分けているのですね。
子供たちの側は、最初は言葉の微妙な意味合いの違いはわからないでしょう。
それよりは親御さんの表情や声などの気配で(そろそろ本当に行かないとヤバい)と察していると思います。
この体感と合わせて、「そろそろ」と「もう」という言葉の微妙なニュアンスの違いを体得していくことになるのですね。
一方、非言語コミュニケーションを察することが苦手な子は、親御さんの感情の微妙で段階的な変化に気づかないかもしれません。
親御さんが怒りを爆発させて初めて、親御さんが「自分に何かを伝えていた」ことに気づく可能性もあります。
こうしたとき、大人のほうでは「うちの子は何度言っても話を聞かない」という苛立ちにつながります。
子供からすれば「楽しく遊んでいたのにお母さんが急に怒り出した」「急に大声で怒鳴られた」という体験になるかもしれません。
468-3 ▼ 親子のコミュニケーションの姿
その体感が継続的に・かつ頻繁に積み重なれば、お子さん自身も起伏の激しいコミュニケーションを取るようになるかもしれません。
これは、(親御さんの意図とは違うものの)お子さんが受け取った大人のコミュニケーションを真似することで強化されるとも考えられます。
そんな、親から子に伝わるコミュニケーションというものの姿を教えていただけた公園での一幕でした。
念のために書き添えますが、親御さんが怒ったり怒鳴ったりすることが悪いと言っているわけではありません。
親御さんが時々大声を出したからといってお子さんも大声を出すようになると限ったことでもありません。
仮にそういう時があっても、どうぞご自身をお責めになりませんように。
どうしてもご心配があったり、育児の負担が高すぎると感じたりする場合は、ぜひ園や学校の先生や地域の相談窓口など、身近な方に相談されてみてくださいね。
いやはや、それにしても、こういう状況のお母さんは大変ですよね。。
世界中のすべてのご家族のお幸せを心よりお祈りしつつ。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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