447-1 ▼ 我が子についイライラをぶつけてしまうとき
お子さんについイライラをぶつけてしまう、という親御さんがおられます。
(というか、ほとんど全ての親御さんがそうなのかもしれません、三輪堂自身も含めてです。)
どんなシチュエーションで、お子さんのどんな状態に対してイライラするのかは様々です。
今回は、「お子さん自身のイライラや怒りにつられて保護者もイライラしてしまう」ことを取り上げてみます。
特に、感情のコントロールが苦手なお子さんは、ちょっとしたこと(と他人には映る)で大声で叫んだり、ものを投げたり、全身で暴れたりと、「沸点が低い上に、ひとたび沸騰すると大爆発する」という場面も珍しくありません。
たとえ目に入れても痛くないほど愛する我が子であっても、こういったタイプの人と日常生活をともにするのはそれなりの負担がかかります。
お子さんに対してついイライラしてしまう、怒りをぶつけてしまう、という親御さんがいらしたとしても、それは自然な反応であって、ある程度仕方がないと思っていただくのがよろしいかと思います。
あまりご自身をお責めになりませんように。
447-2 ▼ 身体の原理原則から見直してみると
人の身体は、「相手と同じものを自分の身体から引き出すことで情報を受け取る」という特性があります。
平たいテーブルを触ろうとするときは指先と手のひらをピンと伸ばして触ります。
テーブルの平たさや表面の滑らかさを感じようとするときに、ぼやっと丸めた手をテーブルに当てようとは思いませんよね。
同じテーブルでも、硬さを感じようとするときは、人差し指や中指の第二関節を曲げてコンコンと叩きませんか。
骨の硬いところを持ってきてテーブルの硬さという情報を受け取っているのです。
それぞれ、自分が感じようとする質感と同じものを自分から引き出して、どの程度平たいのか、どの程度硬いのかを体得しようとしているわけですね。
ということは、誰かの怒りにつられて自分も怒ってしまうということはごくごく自然なことなのです。
相手と同じもの(この場合は怒り)を自分の中から引き出すことで相手の情報を受け取ろうとしているだけだからです。
その咄嗟の身体の反応を、冷静に整えていこうというのが「感情コントロール」ということですね。
感情コントロールが苦手な人は、身体の反応が繊細な人、敏感な人、とも言えるでしょう。
447-3 ▼ 怒りではなくその奥の感情を見る
お子さんの怒りに向き合うときに一つ大切にしたいのは、怒りの裏にはきっと別の感情が隠れている、ということです。
何かがうまくいかなくてガッカリした、恥ずかしい思いをした、自分に失望した、他人に失望した、恐怖を感じた、、、
など、など。
ハッピーだから怒るという人はほとんどいませんよね。
たいてい、何かのアンハッピーな感情が怒りに転化して表に出てきています。
大人が汲み取ってあげたいのは、表面に出てきている怒りではなく、その奥にある別の感情のほうです。
表面的な怒りだけを捉えていると、こちらの心身も瞬間的に緊張し、相手と同じ情報(=怒り)を引き出します。
でも、怒りの奥にある「恥ずかしさ」を捉えてみるとどうでしょうか。
怒りにつられる感情は多少は残りながらも、相手の恥ずかしさに共感したり、相手の状況を理解しようとする気持ちが働いたり、し始めるのではないでしょうか。
実際にはこうシンプルに運ぶことばかりではないとは思いますが、身体の原理原則から見た基本的な捉え方として書かせていただきました。
皆さんの育児療育や、誰かと関わるときのご参考になればと思います。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。