体力が続かず4時間目に眠ってしまう
こんなご相談をいただきました。
自閉スペクトラムの息子は、半年間、保育園を登園拒否していました。
そのせいか、小学校に入学してから体力が持ちません。
帰宅して夕飯も食べずに朝まで眠ることもよくあります。
それなのに、毎日、4時間目になると眠ってしまうと学校から報告があります。
授業中に眠ってしまった場合はどうしたらいいのでしょうか?
眠ってしまうほど疲れを感じる中でも、ご本人が学校に行きたいと思える環境が素晴らしいですね。
小学校が楽しい、先生やお友達が好き、ご家庭の支援が整っているなど、色々な理由があると思いますが、楽しい学校生活を過ごしていただけたらなと思います。
授業中の居眠りを防ぐ2つの考え方
さて、授業中に寝てしまうことについては、以下の2点から働きかけると良いのではないかと考えます。
- 体力をつけるために運動をする
- 授業中に覚醒水準を上げる働きかけをする(脳がきちんと目覚めた状態にする)
体力をつけるために運動をする
授業や学校の生活に慣れるにつれて、少しずつ心構えや体力も備わってくるとは思いますが、積極的に運動をして体力をつけていきましょう。
屋外遊びが好きならば、思い切り遊ばせてあげましょう。
ご家族と散歩やウォーキングをしたり、なわとびや自転車の練習をしたりするのも良いですね。
また、水を入れた500mlのペットボトルをリュックサック等に入れて、背負って歩いてみるのもお勧めです。
自然と体幹を鍛えることができ、毎日の登下校で背負うランドセルの重さにも対応しやすくなります。
授業中に覚醒水準を上げる働きかけをする(脳が目覚めた状態にする)
今回のご相談のお子さんは、おそらく、心も身体もフル回転させて学校生活についていこうと努力してくれているのだと思います。
そのため、脳はとても疲れているはずです。
体力を消耗してしまうのも、こうして頭を使って一生懸命に頑張っているからでしょう。
居眠りを叱るのではなく、この努力をしっかりと認めてあげたいですね。
最初は辛いかもしれませんが、身体を慣らすためにも、起きて授業に参加する流れを身につけてもらいたいところです。
学校側にご協力いただき、以下のような対応を試してみてはと思います。
眠くなりにくい授業づくり
机にじっと座って難しい話を聞いているだけではどうしても眠くなるので(大人でもそうですよね)、生徒が能動的に参加したり身体を動かしたりできるような授業形式を取り入れていただくのが理想です。
良い行動を褒める
起きている時にはしっかり褒めます。
起きていることを褒めるだけでなく、「姿勢が良いね」「この字、上手に書けてるね」など、学業に向かう姿勢を具体的に褒めてあげると、とても励みになると思います。
眠くなったら身体を動かす
眠そうになってきたら、プリントを配布するお手伝いをお願いしたり、身体を動かす活動に切り替えたりして、寝かさないようにします。
寝てしまってから起こすより、眠気を晴らしてあげる方が簡単です。
寝たら起こす
それでも寝てしまったら、心を鬼にして起こします。
不機嫌やパニックなどの不適切な行動が出てしまうかもしれませんが、負けずに起こしてあげましょう。
ストレッチをする、その場で軽くジャンプする、冷たい水で顔を洗う、硬いものを噛む(授業中には難しいかもしれませんが)などの動作を行うと脳がスッキリ目覚めます。
お子さんにとって不快な刺激にならないように様子を見てあげましょう。
午睡
休憩時間には15分程度の午睡を許可するなど、心と身体を休ませてあげましょう。
もしお子さんが午睡を拒否したら、無理に寝かせなくても良いと思いますが、その場合でも授業中に寝たら起こすのは変わりません。
できれば、午睡で体力を回復できることを実感させてあげられると良いですね。
保健室等で休む
どうしても授業中に眠気がおさまらない、疲労が限界である、といった場合は、保健室等に移動して休みましょう。
教室で寝るのではなく、場所を変えて休むのがポイントです。
どんなお子さんにも効果的です
ご相談のお子さんをはじめ、新1年生のお子さんは、多かれ少なかれ神経を張り詰めて生活していると思います。
上に書いたような支援は、どんなお子さんにも効果的です。
よろしければぜひクラス運営に取り入れてみてください。
学校で頑張っている分、ご家庭ではわがままが爆発したり、気が抜けたようにぼんやりしていたりするかもしれません。
ご家庭が安心できる居場所だからこその態度です。
学校と連携をとって、ゆったりと見守っていただければと思います。
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