375-1 ▼ 親の願いと子供の育ちたい方向
子供に「こうなってほしい」という親の願いがあります。
その願いこそが、わたしたちの日々の育児の原動力になったり、親としての喜びにつながったりします。
ところで、親の願いと、子供自身の育ちたい方向は、必ずしも一致しません。
たとえば先日も、食事や排泄という基本的な生活習慣の自立について触れましたが、まさにこれなどは、親は早く自立させたい/子供の身体の準備はまだ整っていない、という葛藤が起こりやすい局面です。
該当記事はこちら
食事や排泄に苦手のある子を見守るときの大人の姿勢
https://sanrindou-members.com/go/5478/
375-2 ▼ 子供の現在地を客観的に見つめよう
親自身の願いを持つことは、全く悪いことではありません。
ただ、親が願う方向だけに子供を押していこうとすると、押す親のほうも、押される子供のほうも、行き詰まって苦しさにつながります。
そんなときは、お子さんが今いる現在地を客観的に見つめ直してみていただきたいなと思います。
身体の原理原則では、頭で考えた理想像をイメージして向かっていくより、身体が今まさに「そのようにある」状態を捉えるほうが、はるかに深く広く発展します。
育児においても、子供たちが今まさに「そのようにある」現在地を改めて見つめ直すと、
「あ、この子はこんなことができるんだ」
「あ、この子はこういうことが好きなんだ」
「この子は今、これをやりたいのかもしれないな」
そんな新鮮な気づきが生まれ、育児の関わり方にも変化が芽生えるかもしれません。
親子の関係性は近すぎて客観的になれないこともしばしばあるので、園や学校の先生など、信頼できる第三者の意見もぜひ参考になさってみてください。
375-3 ▼ 大人自身も・・・
これは大人自身の心身についても言えます。
自分自身がこうなりたい、こうありたいという願いがあったとして、その通りでない自分を否定したり、願う方向に向けてがむしゃらに邁進したりすることがないでしょうか。
願い通りになろうとする努力は素晴らしいものですが、願う方向に無理やり押していくようなやり方は、えてして長続きしません。
いずれガス欠になってしまいます。
右に行こうとしている自分を左に押していくよりも、いっそ右に行く道を応援してあげたほうが、自分でも思ってもみなかったような豊かな展開が拓けるものです。
願いに向けてがむしゃらに走り出す前に、まずは今の自分自身の心身の現在地、状態像、在り方を客観的に見つめるところから始めてみませんか。
きっとこれまでとは違った一歩が踏み出せることと思います。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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