345-1 ▼ 脳の3つの情報処理過程
脳の情報処理過程には3つの枠組みがある、とする考え方があります。
- 一時的に浅く考える
- じっくり深く考える
- ぼんやりと考える
1の枠組みは、ワーキングメモリーと呼ばれるものです。
電話番号をとっさに覚えてプッシュする(プッシュし終わったら忘れる)ときに使うような、取り入れた情報を一時的に覚えておいたり、反射的に情報を取り出したりする力です。
2の枠組みは、実行機能と呼ばれるものです。
朝の支度の順番を覚えてその通りに行動するようなときに使います。
複数の作業に段取りや優先順位をつけて行動したり、過去の記憶や出来事を参考にして考えたり、計画を立てたり、といったときに働いている力です。
3の枠組みは、デフォルトモードネットワークと呼ばれるものです。
いわば自動車のアイドリングのような状態で、エンジンを完全に切ってしまうと再開まで時間がかかるので、すぐに動けるように脳をぼんやりと動かしておく、というイメージです。
情報を整理して結びつけたり、新しいことを創造したりするために使われている力です。
345-2 ▼ バランスよく働くのが望ましい
どの3つも大切な力で、バランスよく働いていることが望ましいものです。
たとえば1のワーキングメモリーに刺激が入り過ぎると、脳が疲れきってしまって、2や3も使えなくなるそうです。
スマホやタブレットでいつでも情報に触れられる現代人は、1が活性化しすぎている人が多いのだとか。
またたとえば3のデフォルトモードネットワークが活性化しすぎると、それはそれで脳が疲れてしまって、注意力が薄れたり、余計なことを考え過ぎて不安になったりすることもあるそうです。
大人にも子供にも言えることですが、脳のどこかが過剰になっていると、それ以外の機能は働きが弱まっている可能性が高いです。
345-3 ▼ 調子の整え方の一例
たとえばお子さんがゲームばかりしていたり、大人の方がスマホばかりいじっていたりするようですと、もしかすると1が過剰になっているかもしれません。
その場合は、適度にぼんやりしたり、コーヒーとともにほっと一息ついたり、無心にできる繰り返し作業を行ったりするのがお勧めです。
また、放課後にやることがなくてぼーっとしていたり、大人の方が休日にダラダラしすぎたりすると、3が過剰になる可能性があります。
(※学校や会社で頑張り過ぎている方は自宅でぼーっとする時間が必要なこともあります)
その場合は、何か一つのことに意識を向けたり、集中して取り組めるような作業を行ったりすると、脳の働きが1や2のほうに向いていきます。
脳の働きから紐解いてみると、ご家族やご自身の日頃の状態と、それをより良く整えていく方法が見つかりそうですね。
本日は以上です。
それでは、また。
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