935-1 励ましたつもりで否定していた
前回は、「お前のポテンシャルはそんなもんじゃない、まだまだやれる」と脚に声をかけ続けたところ、膝から下が棒のようになってしまった方のエピソードをご紹介しました。
身体に話しかけること自体は悪くはないのですが、話しかけの内容と質が問題です。
この方は、今のご自身の脚に満足しておられませんでした。
すなわち「まだまだやれる」は現状の否定と同義です。
否定され続けた結果、脚は棒のようになってしまいました。
ただ、同じ言葉を使っても、その裏にどんな意図をこめて発しているかで、言葉の力は変わってきます。
「まだまだやれる」という言葉が一概に悪いのではありません。
(この方の場合も、実際に脚に声をかけている様子を見せていただき、言葉が身体にどんな影響を与えているかを確かめました。)
935-2 励ましと現状否定を分けるポイント
育児でも、大人が子供に向かって、あるいは大人が大人自身に向かって、「~~をもっと頑張れ」「お前はもっとできる」などと発破をかけることがあります。
それで奮起して頑張れる子ももちろんいます。
でも、「もっと頑張れ」が、自分はまだ十分ではない、今の自分は良くない、というメッセージに聞こえて、もっと頑張らなければ、と自分を追い詰めてしまう子もいます。
相手の言葉で奮起するか、自分を追い詰めるか。
この両者を分けるのは、「まず今の自分をちゃんと大切にして、信頼できているかどうか」という点です。
人の身体は、まず今の自分自身をしっかり見てあげれば、自然と発展します。
今の自分自身をないがしろにしたまま先に進もうとすれば、身体も心も強張って停止します。
935-3 あなたの声かけの力を変えるのはこの一点
世の中にはいろいろな育児の悩みがあって、それを解決するためのメソッドやツールもたくさんあります。
でも、どんなツールを使ったとしても、根本は同じ。
育児がうまくいく秘訣は、
まずは今の自分を大切にする
これだけなんですね。
「お前のポテンシャルはそんなもんじゃない、まだまだやれる」と、自分や子供に声をかけたくなるときは、その前に、まずは今の自分を・相手を大切にしているか?確認してみていただけたらなと思います。
その一点で、あなたの声かけの力は大きく変わりますから。
本日は以上です。
次回の配信は7/31(月)です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
自分の身体からの答えを知りたい方へ
身体の現在地を認識する
心と身体のバランスを整える
身体からのメッセージを受け取る
心身と対話する静かな時間をお過ごしください
あなたの身体がいま動きたいと思っている方向・速度・幅で波を通し、身体の現在地から心身のつながりを深めます
あなたの身体の中にある「今もっとも必要なこと」「いま伸びたいと思っている芽」をそっと後押しします