844-1 ある日の激マズ給食
わたしが小学生の頃は、給食の「完食指導」がありました。
残さず食べないとダメ、というやつです。
時間内に食べきれなくて、昼休みから掃除の時間になっても、ポツンと席に残って給食と格闘している子もいましたし、どうしても食べられないおかずをランドセルや口の中(!)に隠して帰宅する子もいました。
ある日の給食で、豆の料理が出て、これが大変にマズかった。
クラスメイトは口々にマズいマズいと文句を言います。
わたしもそのマズさを鮮明に覚えています。
焦げたような腐ったような、とんでもなく変な味です。
先生も一口食べて、「うーん、これは・・・」と口ごもった後、その豆のおかずだけは残してもいいことになりました。
844-2 身体が欲するものを受け取る
そのときは、この豆を食べなくて済むという喜びしかありませんでしたが、今になって考えるとおかしな話ですよね。
子供自身が食べたくないものは食べなければダメなのに、大人が食べたくないものは食べなくていいのでしょうか。
食べるということは、頭で考えてするものではなく、身体が欲するものを受け取ることだと思います。
自分にとっておいしくないものをおいしくないと思えるのは、むしろ身体の素直な働きです。
その力がなければ、腐ったものを口に入れても気づかずに食べてしまうかもしれません。
食の経験は豊かであったほうがいいとは思うので、わたしは自分の子供には「一口だけ食べてみたら?」と提案しています。
一口食べてみて、ダメだと思ったら口から出していいし、それ以上食べなくていい、と伝えると、一口は行ってみようと思えるようです。
844-3 食べることは、身体と一緒に生きること
それで意外とおいしいことがわかって、箸が進んでパクパク全部食べちゃった、ということもありますし、試してみたけどやっぱりダメだった、も、もちろんあります。
自分の舌で味わって選んだことだけが、今の段階でのベストアンサーです。
完食指導が時代遅れになった今でも、「三食きちんと食べましょう」「〇〇は身体にいいから積極的に摂りましょう」といった善意の圧力は存在しています。
そういう情報をうのみにせず、「では、自分の身体にとってはどうかな?」と、身体に尋ねてみてください。
食べることからも、自分の身体と一緒に生きる力が育まれていきますよ。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
自分の身体からの答えを知りたい方へ
身体の現在地を認識する
心と身体のバランスを整える
身体からのメッセージを受け取る
心身と対話する静かな時間をお過ごしください
あなたの身体がいま動きたいと思っている方向・速度・幅で波を通し、身体の現在地から心身のつながりを深めます
あなたの身体の中にある「今もっとも必要なこと」「いま伸びたいと思っている芽」をそっと後押しします