923-1 気になる親子の姿
かつてわたしの子供が通っていた保育園で、ちょっと気になる親子さんがいました。
お子さんは友達の輪に入らず、いつもポツンと一人で遊んでいました。
先生の指示も聞いたり聞かなかったりで、心と身体が周囲の世界についていっていないような印象を受けました。
その子のお母さんは、子供を大声で怒鳴りつけたり、腕を引っ張って車に押し込んだりと、ちょっと乱暴なふるまいが目立つ方でした。
保育士さん同士でこの親子さんについて相談し合っているのを何度も目にしているし、ママさんたちの間でも話題になっていました。
もう10年近く前の話ですが、今でも時々思い出します。
923-2 あなたならどうしますか
たとえば10人の専門家が10人とも、「この親子には課題がある」「親は子供への関わり方を変えたほうがいい」と思うような状況があったとします。
もしあなたが専門家として親子にアドバイスする立場だったとして、あなたからすればどう見てもAの道を行くのがいいように思えるのに、親子はBの道を選んでいる。
そんな状況で、あなたなら、何をどんなふうに伝えますか。
かつてのわたしは、Aの道を行ったほうがいいんじゃないですか、とはっきり伝えるタイプでした。
でも今は、人が自分の生き方を選ぶには、そうなる理由、必要な理由があるからその道を選んでいるのだ、とつくづく思います。
どれほど他人から見てAのほうが望ましいと思ったとしても、親子がBを選ぶなら、他人が無理やり彼らをAの道に引っ張り込むのはうまくありません。
支援者は、ただ彼らに伴走して、ときどきおしゃべりしたり、必要なら具体的な手助けを提供したりしながら、じっと彼らの道のりに寄り添います。
923-3 いつでも自分はこれでOKと思えるように
最終的に、親子がBの道からAの道に移ってきたとして、「それ見たことか」「早くこっちに来ていればよかったのに」などとは決して言ってはいけません。
他人から見たら遠回りに思える歩き方でも、親子にとっては必要なプロセスだったのですから。
そもそもわたしたちはみんな「途上」にある人間です。
それが合っているか間違っているかなんて、誰にもわかりませんね。
それなら、どんな途上にあるときも、「自分はこれでOKなんだ」と思えていたら、それが最高ではないですか?
冒頭の親子さんのことがふと心によぎるとき、いま彼らもそんなふうに思えていたらいいんだけどな、と祈るばかりです。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
自分の身体からの答えを知りたい方へ
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