804-1 指先の力加減が苦手な子
指先で細かい動きや力加減をするのが苦手な子がいます。
たとえば絵具のチューブのキャップをひねって開けるのが苦手な子がいて、この子はキャップを開けるたびにチューブを握りつぶしてしまい、絵具が飛び出てしまいます。
チューブのほうは柔らかく持つ、キャップのほうには指先で鋭く力をこめる、ということができないのですね。
だからこの子は、絵具を使う日はいつも洋服が絵具だらけになってしまいます。
こういう子に、もっと気を付けて絵具を使いなさい、汚さないようにしなさい、などと言っても、何の意味もありません。
対処療法として、本人にとって開けやすい絵具(ひねりのキャップではなく押し開けるタイプのフタがついたものなど)を使ってみたり、エプロンをつけて汚れをガードしたりなどしつつ、手の動きが上達するように時間をかけて練習し、発達を促していくことが望まれます。
804-2 「不器用」を体感する
こういう子の感覚を大人自身が体感してみるのも一つの手です。
たとえば分厚い軍手やゴム手袋をはめて絵具のキャップを開けてみたり、ビーズを糸に通したり、針仕事をしたりしてみてください。
わたしは絵具は開けられましたが(開けにくくはあった)、ビーズは苦行でしかありませんでした。。
糸に通すどころか、そもそもビーズをつまみ上げるところから一苦労です。
容器をひっくりかえして、そこいら中にビーズが散らばって絶望したり。。
そのうちビーズを見ただけでもう嫌になって手が動かなくなりました。
苦手な課題をやりたくない子の気持ちがよくわかります。。
804-3 寄り添うとは、体験すること
人は身体で感じ、身体で思考します。
自分の身体で体験したことしか、本当の意味では捉えられません。
大人が子供を育てることができるのは、自分も一度は子供だったからだろうと思います。
と同時に、自分とは全く違うタイプの我が子に困惑するのも、自分が体験しなかった道をその子が歩いているからだと思えば当然のことでしょう。
子供たちを支える立場にいる大人たちは、ぜひ、目の前の子とできるだけ同じことを、できるだけ同じように、体験してみていただけたらと思います。
他者と全く同じ体験をすることは現実には不可能ですが、その子に寄り添う距離は、少しだけ縮まるかもしれませんから。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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