705-1 親が勝手に行先を変更したら
日曜の我が家の話です。
家族でAの店に買い物に行こうとしていたのですが、都合があって急遽Bの店に変更しました。
子供にそのことを伝えたところ、非常に不満げでした。
子供は、Aの店にしか置いていない商品が見たくて、Aに行くのを楽しみにしていたらしいのですね。
その様子にハッとしました。
たとえば療育の現場では、イレギュラーな予定変更が苦手な子には、できるだけ事前に、その子に伝わりやすい形で変更を伝えよう、といった支援が行われます。
これは大人でも同じで、たとえば転勤について、辞令を突然言い渡されるより、事前に事情や配属理由などを聞いているほうが、異動に納得できるでしょう。
705-2 子供が反応してくれるありがたさ
こういうことを頭ではよく知っているはずだったのに、身近な自分の足元ではアッサリとすべてを無視して、親だけで家族の行動を決めてしまっていました。
結局Bに行くにしても、断定的な伝え方ではなく、もう少し話の持って行き方があっただろうと反省しました。
と同時に、子供がこうして反応して自分の気持ちを教えてくれるありがたさを感じました。
そこでふと思い出したのが、特別支援学校で長年指導をされていた先生が書かれた文章の一節です。
先生がおっしゃるには、知的障害のある子供たちは自分で選択する経験が圧倒的に少ない。
選択する練習といってもおやつや自由課題(遊びなど)の内容程度にとどまり、真に自分の人生を決定する選択をしたことがない人がほとんどである、ということです。
705-3 みんな一人の人間だから
子供が幼いうちは、親が行動を決定するのが当たり前です。
そんな中で、だんだん子供が反発したり自分の意見を言えるようになったりして、親のほうも少しずつ自分の行動を変え、たとえば行先の変更は子供の意見も取り入れるといったように、家族のあり方が変わっていきます。
さまざまな理由で自分の意見を表現しづらいお子さんの場合、いつまでも保護者がお子さんの行動を決めていくということが、何の悪意もなく起こり得るのだなと痛感します。
大人の側はただ愛情を持って今までの当たり前を当たり前に続けているだけなのですが、子供たちは常に成長し、変化しています。
どこかのタイミングで、自分の人生を自分で決めるステージに向けて、家族全員で次の一歩を踏み出すことも必要になるのでしょうね。
子供も一人の人間であるということを、より深いところから捉えていけるようになりたいものだなと、改めて思ったことでした。
本日は以上です。
それでは、また。
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