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相手に合わせて自分の身体をコントロールする練習の具体例

目次

702-1 相手に合わせて自分の動きをコントロールする

前回は、衝動の強いお子さんには言葉よりも身体からアプローチしてみよう、と書きました。

今回はその具体例をご紹介します。

基本的には、「相手に合わせて自分の動きを制御する」機会をさまざまに工夫して設けてあげるという考え方です。

702-2 具体的な実践例

手をつないで歩く

衝動性の強いお子さんは、手を振り払って突然走り出したり、道端に急にしゃがみこんだりすることがあります。
その動きに大人が対応している段階は、大人が子供の動きに合わせている状態です。
短い時間・距離からで良いので、手をつないで大人のペースについてくる練習をしましょう。

最初からうまくいかなくても焦らずに!(^ ^)
最初はほんのわずかな時間でも手をつないだまま歩ければOKとし、あとはたとえお子さんのペースに振り回されたとしてもあまり気にしないようにしましょう。

音楽に合わせて身体を動かす

音楽も一種の「相手」です。
ラジオ体操やダンスなどの活動は、リズムやテンポという「相手」に合わせて自分の動作をコントロールする練習になります。
最初は行進から練習することをお勧めしています。
地面に引いた線の上を歩く、前を歩く人の肩や腰に手を当ててついていく、電車ごっこのようにフラフープやロープの中に入って進む、などの仕掛けをすると、動作の方向性がよりわかりやすくなります。

発達段階の幼いお子さんは、「音を聞く」と「身体を動かす」という2種類の動作を同時に行うことが難しい場合があります。
音が鳴り出すと嫌がる、身体を止めて音に聞き入る、といった行動が見られる場合は、次項の「身体の動きを止める」練習から入ると良いかもしれません。

身体の動きを止める

動きを止めるということは、動作の出力をゼロにするということ。
これも立派な身体操作のコントロールです。
仰向けに横になった状態で手足を自然に伸ばし、一定時間どこも動かさないようにします。

これができるようになると、高ぶりすぎた気持ちを鎮めるきっかけにもできます。
クールダウンのための活動としてもお勧めです。

ビー玉キャッチ

机の端からビー玉を転がし、反対側の端で、紙コップなどでビー玉をキャッチします。
ビー玉という「相手」が転がってくる方向やペースを感じながら、それに合わせて自分の動きや構えを変えていきます。
練習という感覚ではなく、遊びとして楽しめるので、お勧めの取り組みの一つです。

慣れてきたら、転がすもの(スーパーボール、丸めた新聞紙や粘土、鉛筆 etc.)や受け取るもの(手のひら、お玉、口の細い容器 etc.)を変えてみましょう。
より柔軟に相手の動きを予測しながら行動する練習になります。

お手伝いをする

大人の指示を受け取って行動に反映させる練習です。
難しい内容でなく、靴を揃える、食事の配膳・下膳、カーテンを閉める等、日常的な単純な動作で構いません。

大人が感謝を伝えることで、気持ちのやりとりもでき、相手の役に立つ喜びを感じてもらうことにもつながります。

順番を待つ

自分のやりたいままに動くのではなく、周囲の状況に合わせる練習です。
実際の順番待ちの場面よりは、おやつを食べる前に大人と一緒に10数える、お風呂で100数えてから上がる、など、「待つ」という練習場面を設定したほうがうまくいくことが多いでしょう。

たとえば公園で遊具の順番を待ちきれずに列に割り込んでしまうといった場合、その子にとっては待ち時間が長すぎたり、環境の刺激が強すぎたりするのかもしれません。
こういう場面でいきなり「待つ練習」を持ち出すと、大人も子供も苦しくなってしまいます。
ご本人がゆとりを持って待てる状況を工夫して、成功体験を積み上げていきましょう。

水泳、球技、アスレチックなど身体を動かす運動

身体を大きく動かす運動は身体操作性の向上に役立ちます。
ビート版やボールなどの道具に対して自分の身体を微調整して対応する練習にもなります。
習い事などに通う場合は、指導者に従う、チームメイトと行動をともにするなど、集団行動の経験も積むことができますね。

公園で遊具を使って遊ぶだけでも、身体操作の練習になっています。

702-3 楽しむことが大切

日々当たり前にやっていることの中に、ほんの少し療育的な観点を盛り込むだけで、毎日の日常動作がお子さんを育む場に変わります(^ ^)

全体的に、指先を細かく使うような動作よりも、身体を大きく使う動作から練習するほうが負担が減ります。

お子さんの年齢や発達段階に応じて、内容や難易度の調整をしてあげてくださいね。

大切なのは、「練習しよう」と意気込んでかかるよりも、大人もお子さんと一緒に楽しむ気持ちで関わっていただくことです。

特に、ご家庭では、親子が頑張って向き合いすぎてしまうと、逃げ場がなくなります。

親子が苦しくなるくらいなら、やらないほうがましな場合もあったりしますので、悩まれる場合はどうぞオンラインセッションにご相談くださいね。


本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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