こんにちは。三輪堂です。
面白く生きる連載、120通目です。

120-1 ▼ 誰かに何かを伝えたい時

ここ数日、まだ持っていないものを外側にくっつけようとするのではなく、すでに持っている内側のものを見てあげよう、という話をしております。

昨日は、筋トレを例にして、動物は筋トレをしないけれども、すでに内側にあるものを使ってしなやかに動いている、とお伝えしました。

これは対人関係にも言うことができます。

たとえば、学校や園の先生が、保護者と面談をする場面を考えてみましょう。日頃から良好な関係を築けているならばともかく、保護者の方々の中には、療育について前向きに捉えていなかったり、複雑な感情を持っていて真正面から話題にすることを避けたりするように見える方もいらっしゃると思います。

お子さんに発達上の課題があって、親御さんにぜひ療育的な関わりを持っていただきたいのだけれど、親御さんがあまり療育に積極的でない。どうお伝えすればいいのか。そんなご相談は三輪堂でもよく伺います。

120-2 ▼ 自分の伝えたいこと・相手の中にあること

こんな時、多くの先生方は、「ご自分の伝えたいこと」を伝えようとされます。
でも、どちらかというと、「相手からお話を引き出すこと」を優先していただきたいなと思うのです。

自分が伝えたいことを話すのは、相手に向かって、相手がまだ持っていないものをくっつけようとすることです。
相手から話を引き出すことは、相手の内側にすでにあるものを見るということです。

筋トレをすると筋肉が緊張するように(当然ですね、筋トレは筋肉を傷つける行為ですから)、外側に何かをくっつけようとする時には人は緊張します。
一方、内側にすでにあるものを使うと、全身が連動し、心と身体がつながって、よりゆったりと柔らかく大きく心身を動かすことができます。

120-3 ▼ 伝える前に

人と人との対話は、信頼関係があって初めて成り立ちます。皆さんもご経験があるかもしれませんが、誰かと一回や二回お話をしたくらいでは、なかなか相手の本音を聞き出すというのは難しいものですよね。。

特に、お子さんの発達課題について話をするといったような場面では、どうしても親御さんは緊張したり身構えたりしがちです。

そんな、ただでさえ緊張状態にある相手に対して、さらに相手を緊張させるような「外側にくっつける=自分の言いたいことを言う」行為を行うのは、可能ならば避けたほうが良いなと思っています。

こちらの伝えたいことはたくさんあるけれども、そこはぐっと抑えて一旦棚上げして、「相手の内側を見る=相手の中にある話を引き出す」。

誰かに何かを伝えたい時には、まずはそこから始めるのが、遠回りなようでいて、実は最も近くて確かな方法ではないでしょうか。

本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。