829-1 集団でぼんやりしている子
前回はこんな記事を書きました。
視覚に弱さのある子供たちの見え方の特徴を10箇条に分けてご紹介しています。
今回は、その中のひとつ「見えやすい色がある」特徴を、一般的な集団生活の中での支援に活用することを考えてみましょう。
たとえば幼稚園や保育園で、集団の中でぼんやり過ごしている子がいたとします。
大人が個別に関われば行動するけれども、広い場の中では何をして良いかわからない、どこに行けば良いかわからない様子で、どことなく不安げです。
お友達とうまく遊べない、一斉指示が通りにくい、といった状態像で把握されることも多いでしょう。
不安が高じて、泣いたりパニックを起こしたり、登園を嫌がったりする子もいるかもしれません。
829-2 先生が強い色の服を着る
こうした子がいるとき、担任の先生が、強い色(赤、蛍光イエロー、蛍光ピンクなど)の服を着てみるのも一つの手です。
毎日同じ色の服を着るのがポイントです。
強い色が視界のあちこちをチラチラ動き回ることになりますので、子供たちは自然にそちらに注目します。
「赤い服の先生」が自分の担任の先生であることが認識できれば、集団の中でどう行動していいかわからない子供たちに安心が生まれます。
赤い先生を見ていればいい、赤い先生のそばにいればいい、(しかも見つけやすい)という行動指針ができるからです。
担任との信頼関係ができ、集団の中での自分の居所がないという不安が落ち着けば、そこから個別のアプローチを広げて、その子に合った支援をどんどん深めていくことができます。
829-3 安心を生み出し、自分から行動したい気持ちを引き出す
言うまでもありませんが、赤い服を着るだけで支援がうまくいくわけでも、なんでもかんでも赤くすればいいものでもありません。
「赤い服」は、その子の視覚的な注意を引き付けやすくして、「安心」を醸成していくためのきっかけ作りの一例です。
すでに信頼関係が構築されている場合など、赤い服がさほどの効果をもたらさない場合もあります。
その子との関係性の段階に合ったアプローチを工夫したいところです。
どんな場面でも大切なのは、子供たちが周囲に安心を見出し、積極的に相手と関わりたくなるような関係性を結ぶことです。
長い実践を通して蓄積されてきた療育の知見の中には、そのためのヒントがたくさん眠っています。
ぜひ、支援に活用されてみてくださいね。
本日は以上です。
それでは、また。
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