772-1 日常生活で言葉を育む
前回は、言葉の力を育てる秘訣は、まずはその子がのびのびと育つことを応援すること、そのために人間としての基礎工事を大切に、と書きました。
言葉は、大人が教え込んで身に着くのではなく、お子さんの心身の土台から立ち上がってくるものです。
それを踏まえて、大人は日常生活の場面で具体的にお子さんにどう関わるのが良いか、いくつかのアプローチをご紹介します。
772-2 具体的なアプローチ6つ
たくさん泣く、笑う
呼吸の機能を育て、発声の基礎をつくります。
不快で泣く⇒大人が不快を取り除く
快の感情で笑う⇒大人が笑顔を向けたり一緒に喜んだりする
等のやりとりを通して、安定した情緒が育まれ、相手とやりとりする意欲につながります。
喃語
アウー、ダーダー、などの喃語(意味のはっきりしない音)は、言葉を発する練習です。
お子さんの喃語と同じ音を投げ返してあげましょう。
言葉を識別する力を高め、やりとりの楽しさの芽生えにもつながります。
語彙
お子さんが見ているものを「〇〇だね」と言葉にして聞かせてあげましょう。
大人が見せたいもの、言わせたいものに気を向けさせるのではなく、子供が見ているものに大人が寄り添っていくのがポイントです。
身体を大きく動かす遊び
身体を大きく動かす遊びは脳の中の回路をうまくつなげてくれる力があります。
- おんぶ
- 高い高い
- 飛行機(仰向けになった大人の手足に子供の手足を乗せて支える)
- 手押し車(腕立ての姿勢のお子さんの両足を大人が持って歩く)
- ヘリコプター(下半身を抱っこして上半身をぐるっと振り回す)
- ハンモック(子供が乗ったシーツの両端を大人が持って揺らす)
- ダイビング(ソファーや布団などにふわっと投げ落とす)
などなど、親子で身体を使って触れ合ってみてください。
言い直しはさせない
発音がはっきりしないときは、大人が正しい音・豊かな抑揚ではっきりと発音して聞かせてあげましょう。
ご本人が自分でやる気になるまでは、言い直しをさせるのは避けましょう。
テレビや音楽を消す
音を選択的に聞き取る力が未熟なお子さんの場合、テレビの音と大人の声が重なってしまって、せっかくの大人の話しかけを言葉として聞き取れない可能性があります。
静かな空間に話者の声だけが響く状態を作ってあげましょう。
772-3
他にもたくさんありますが、今回はひとまずこのくらいで!
ここに書いたようなアプローチは、「必ずそうしなければならないもの」ではありません。
こうはできなかったからといって、親御さんがご自身に責任を感じる必要もないと思っています。
身体の原理原則では、人の身体は、常にその時その場でのベストな立ち位置を選択しています。
育児という関わりでも、お子さんも親御さんも、常にその時その場でのベストを尽くして過ごしている、と信頼してください(^ ^)
上記のアプローチはあくまでヒントとして、お子さんの現状やご家庭の状況によって微調整しながら、ご家庭にとってベストな働きかけを探っていっていただければと思います。
本日は以上です。
12/10(土)~12/12(月)は配信をお休みします。
次回は12/13(火)です。
それでは、また。
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