755-1 苦手を底上げするより得意を伸ばす
教育や療育の現場では、「苦手を底上げするより、得意を伸ばしましょう」と言われます。
理由の一つは、得意が伸びていくと、それによって苦手がカバーされる面が多くあるから、ということです。
言葉の力が伸びていくと気持ちのコントロールができるようになってきたり、運動能力が高まると鉛筆のスキルも上達したりといったように、ある側面での育ちが別の側面での育ちを支え、促すことは珍しくありません。
わたしたち大人も、苦手なことが一つもない人はたぶんいないと思いますが、それでもなんとかやっていますよね。
苦手を一つ残らず潰していく必要性は、そんなに高くないということです。
755-2 芽生えた気持ちに乗っていく
理由のもう一つは、苦手に向き合うより、得意に向き合うほうが、圧倒的に楽しく、取り組みやすいからです。
得意なことがどんどん伸びて、「やればできる!」という実感を育んだ子は、苦手なことにも「ちょっとチャレンジしてみようかな」という気持ちが動きやすくなります。
何かを練習するときには、ご本人の中に芽生えたこうした気持ちに乗っていくのがポイントです。
ご本人が「やってみよう」と思えたことは、それはもう「苦手なこと」ではありません。
身体の原理原則では、動きの芽に乗っていくときは動作が思いがけない発展を見せる一方、動いていない部分を無理に動かそうとすると、心身が強張り、想定の範囲内の繰り返しで終わる、という現象が起こります。
755-3 身体の原理原則から見た発展の秘訣
得意なこと、楽しいことには気持ちが動き、苦手なこと、つまらないことには気が乗らない。
誰だってそうですよね。
だからこそ、乗らない気を無理やり引っ張り上げるのではなく、気持ちが動いたところに乗っていくのが、身体の原理原則から見た発展の秘訣です。
お子さんの苦手が身辺自立や日常生活に欠かせないことだとしたら、時間をかけてでも向き合っていったほうが良いですが、そればかり集中的に練習しなくても大丈夫。
お子さんの心と身体の動いたところを見逃さずに乗っていくような働きかけを工夫してみてくださいね。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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