732-1 みんなが同じ土俵に立つ
合理的配慮とは、特別扱いをするのではなく、「みんなが同じ土俵に立つ」ことです。
たとえばわかりやすいのは道具をプラスすることですね。
- 遠くの文字がよく読めない人はメガネをかけることで見えやすくなる
- 音が聞こえすぎる人はイヤーマフをつけることで集中しやすくなる
- 教科書の文字がチラチラして読みにくい人はリーディングルーラーを使うと読みやすくなる
こうした道具によって、多数派の人(音の聞こえ方や文字の見え方に特別な困りのない人)が立っているのと同じ土俵に立つことができます。
732-2 物事の仕組みや考え方を変える
道具の差し引きだけではなく、物事の仕組みや考え方を柔軟に変えていくのも大事です。
たとえば小中学校のクラスは、基本的に「整列」で行われます。
机は碁盤目状に並んでいるし、体育の授業でも整列して先生のお話を聞きますね。
ところで、人の距離感、位置取りというものは、無意識なようで実は人によって居心地の良さが違います。
話者の近くにいたほうが話をよく理解できる人、人の右側に立ったほうが安心できる人、遠くから全体を眺めて状況を把握してから中に入っていきたい人、などなど。
たとえば話者の周りに複数人に自由に集まってもらうと、個人の感覚をフルに活かした距離や位置の取り方をするはずです。
(そういえば自分はいつも端のほうに立っているかも、などと思い当たることがおありの方もいらっしゃるのでは? ^ ^ )
732-3 自分が自由だからこそ、同じ土俵に立てる
学校が採用している「整列」はこれらの個人の感覚をすべて無視しています。
せいぜいが、授業中に集中できない子や学力に不安のある子を前のほうの席にして、先生の目が届きやすくするくらいです。
たとえば体育の授業あたりから、整列をなくして「自由に集合」してみてはどうでしょうか。
それぞれの子供たちの思いがけない姿が浮き上がってくるはずです。
整列が当たり前だと思っている大人の価値観や仕組みを動かしてみると、「みんなが同じ土俵に立つ」ことの見え方も変わってくるはずです。
発達障害の有無に関係なく、集団の中には本当に色々な人がいます。
全員が同じように生きていけるはずがありません。
せっかく広まりつつある合理的配慮という考え方を、もっと豊かに活用していけたらと願っています。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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