687-1 足し算ができるようにならないお子さん
特別支援教育の現場で長年指導されてきた先生によると、小学部で足し算の練習を始めたお子さんが、高等部になってもまだ同じ練習をしていることが珍しくないといいます。
こうしたお子さんの場合、早めに電卓の練習を取り入れたほうがご本人の自己肯定感が低くならずに済むというお話なのですが、本当にその通りだなと思います。
親御さんや周囲の大人の方々にとっても、そのほうがきっと楽でしょう。
ずっと同じ足し算を勉強していて、前に進んでいる感が持てないというのは、周囲でサポートする人にとっても心の負担になるものです。
687-2 手順として電卓を使う
数を概念的に操作することができなくても、電卓やお金を「手順として」扱える人は珍しくありません。
本質的な数の理解とは言えないのかもしれませんが、生活するには「手順」「技術」さえあれば十分という考え方もできます。
足し算ができない自分に失望しながら生活するより、足し算はできなくても電卓操作ができて、それが自立した生活や自己肯定感の向上につながるなら、そのほうがはるかに良いのではないかなと思います。
「足し算ができるようにならない」と見るか、「電卓が使えるようになった」と見るか、の違いですね。
687-3 得意を伸ばす
学校には、苦手なことを底上げしようとする文化があります。
できないことをできるようにしてあげようとする先生方の熱意は本当に貴重でありがたいものだと思います。
ところで、人の身体は、動くところから動いたときには思いがけない発展をしますが、動かないところを無理に動かしたときには、繰り返ししか起こりません。
「動くところ」とは、その人の得意なところ、芽が出ているところです。
苦手なことをできるようにしようとするより、得意なところを伸ばすほうが圧倒的に身体の理にかなっています。
ぜひ、お子さんの得意なところに目を向けてあげてください。
そうすれば自然と動きが波及して、不得意分野にもチャレンジしようという気持ちになったり、できないことがいつの間にかできるようになっていたり、するものですから。 (^ ^)
本日は以上です。
次回の配信は8/22(月)です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。