580-1 ▼ 道を通れないとき
療育の考え方の特徴の一つは「いろいろな方法がある」ということではないかと思っています。
どんなお子さんにも人それぞれの育ち方があって、決まった「型」のようなものはもちろん存在しませんが、多くのお子さんが特に困らずに通れる道幅があります。
それを大人たちは「定型発達」とか「(普通の・一般的な)育児」などと呼んでいるわけですが、時にその道を通れないお子さんがいたときに、
では橋をかけたらどうか?
迂回したら通れるか?
自転車に乗れば進めるか?
といったように、さまざまな方法を工夫していくのが療育ということではないかと思います。
580-2 ▼ 行き方は無数にある
大通りを進めなければ脇道を通ったらいい、と言うのは簡単ですが、実際に育児や教育の現場で具体的な工夫を行うのは、なかなか難しいことでもあります。
特に、園や学校で、多くの子供たちが同じことを同じようにすることを求められる場では、子供たちを導く大人の側の発想が無意識に固定化されることがあります。
最終的には今いるところからA地点まで行けばいいだけの話で、その行き方は無数にあるのに、ある特定の道を通らないといけないと思い込んでしまったりもします。
学校で先生から「あなたのお子さんは〇〇ができない」などと言われると、保護者は非常に心配になると思いますが、これは、「〇〇が(先生が思う方法では)できない」という意味であるかもしれません。
本当に〇〇ができないのか?
別の道を通ればできる可能性はあるのか?
というところを見てあげてほしいなと思います。
580-3 ▼ ゴールはどこなのか
次に考えたいのは「〇〇ができることは生きるために必要なのか?」ということです。
道には「行き方」と同時に「ゴール」があります。
ゴールの設定が変われば、そこまでの行き方・進み方も大きく変わります。
〇〇を身に着けないと社会生活で困るレベルなのか、学校を無事に卒業するためにできたほうがいいだけなのか。
それでずいぶん判断が変わってきますよね。
「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」と、ある詩人もうたったように、どんな人にも、自分に合う道、自分に合う進み方がきっとあるはずです。
いろいろな方法を探すことを諦めずに進んでいきたいものです。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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