578-1 ▼ 目と手の協応運動
療育では「目と手の協応運動」ということがよく課題になります。
協応運動とは、身体の複数の器官が同時に働いて、一つの運動や作用を起こすことです。
わたしたちの日常生活には、洋服を着る、箸で食事をする、鉛筆で文字を書くといった、手先を使う運動がたくさんあります。
こうした手先の細かい運動は、目で見た情報に支えられています。
目を閉じた状態で、箸で食べ物をつかんだり、正確な文字を書いたりするのは、大人でも難しいですね。
そこで目と手が上手に連携して働くことが大切な発達上の課題として求められています。
この連携がうまくいかない子供たちのために、さまざまな視覚認知トレーニングが工夫されています。
今回は、ご家庭で、遊びながら手と目の力を高められるトレーニングをご紹介します。
指先のイメージを高め、箸や鉛筆などの道具を持ったときの操作性の向上にもつながります。
578-2 ▼ 対象物を細かいポイントで捉える
指先ペインティング
1.太いマジックで絵の輪郭を描く
・お子さんの好きな絵柄を選ぶ。
・最初は手のひら程度の大きさで1~2色塗り分ければ完成するシンプルな絵柄にする。
・大きさや絵柄の細かさで難易度を調整する。
2.指先に水で溶いた絵具をつけて、絵の中をチョンチョンと塗る
・指を横にこすって塗らないこと。指先で紙をつつくようにする。
・指差しの形を保つこと。人差し指だけを出し、残りの4指は握り込む。
このワークでは、塗り絵を完成させることよりも、人差し指を思った通りの箇所にタッチできることが大切です。
指差しの形で対象物を捉えることができると、一本の線の始点から終点までや、細かい一点に認識を向けることができ、文字の読み書きのための認知力向上に大変役立ちます。
手が広がっていると細かいポイントを鮮明に認識するのが難しいので、指差しの形を維持するのが苦手なお子さんには、「ナンバーワンポーズ!」などと調子良く人差し指を立てる遊びや、立てた指にリングを通す遊びをするのも良いでしょう。
578-3 ▼ 大切なのは焦らないこと
絵具の感触や手が汚れることが苦手なお子さんには向かない場合もあります。
楽しめる場合はぜひ試してみてくださいね。
大事なのは、遊びながら楽しくやること、焦らないことです。
小さな子供の感覚的な発達には時間がかかります。
うまくやろう、成功させようと思わず、親御さんご自身も一緒に楽しむような気持ちで取り組んでいただけたらと思います。
どうしても不安や焦りが消えない、もう少し個別具体的に話が聞きたい、といった時にはどうぞ三輪堂のオンラインセッションにご相談くださいね。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
- 療育のセカンドオピニオンが欲しい方
- 一般的な療育支援分野とは違う角度からアドバイスが欲しい方
- 漠然とした不安や言葉にしづらい”何か”があってクリアにしたい方
ぜひ一度「オンラインセッション」にお声掛けください。
育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
うまく書けない・しゃべれないと思う方もご安心ください。
ゆっくり丁寧にあなたの中にある”何か”を引き出します。