390-1 ▼ 身体の力を抜くのが難しい人たち
身体の力を抜くのが難しいお子さんがいます。
特に自閉傾向の強い方に多くいらっしゃるように思います。
そういった方の多くは自分自身の身体の捉え方に特性があって、たとえば自分の足がどこにあるかわからない、自分の身体の各パーツがどこからどこまでの空間を占めているのかがわからない、といった感覚で過ごされています。
足がどこにあるのかわからないのにその足から力を抜けと言われても難しいのは容易に想像がつきますね。
大人にも、脱力が難しい方は珍しくありません。
ダラーンと力を抜いてください、とお伝えしても筋肉が緊張しっぱなしで、こちらに身体(腕や脚)を預けることがなかなかできません。
当のご本人は脱力できていないことに気づいていないこともしばしば。
390-2 ▼ 身体の強張りは物心両面に影響する
こういった方々は、周囲にものすごく気を遣って過ごしておられたり、何かをものすごく警戒していたり、傷ついた心を守っていたり、することがあるようにも思います。
身体と心は相似形につながっていますから、身体の固まりと心の働きの固まり(不安、警戒、悩み、過去に傷ついた経験など)は連動する部分が多いのでしょうね。
このように、身体のどこかに過剰な力がかかっていると、身体本来のつながりが損なわれ、生活のあちこちに物心両面で無理・不自然・ぎこちなさが出てきます。
「ボディイメージが明確でないお子さんがしょっちゅう家具などにぶつかる」といった事例は因果関係がわかりやすいですが、ときには、一見すると何の問題もなく社会生活を送っておられる大人の方が、ものすごく身体が固まっていてなかなか脱力できない、首も腰もしびれるほど固まっていて痛む、それでよくよくお話を伺ってみると、親御さんから暴力を受けて育った経験が心の痛みとして残っていて、他人を心から信頼して身を任せるということができずに常に理論武装して無意識に戦っている(ように思われる)、といった事例に出会うこともあります。
上手に脱力して身体を整えることで、身体操作が楽になるのはもちろん、精神的な働きも穏やかになります。
390-3 ▼ 身体からのアプローチ
発達の特性から来るものであれ、過去の経験の蓄積が理由であれ、脱力できない身体を意志の力で脱力させるというのはなかなか難しいことです。
思考・頭でアプローチしてもうまくいかないときは身体からアプローチするのが一番。
アプローチの方法はいろいろあります。
身体に触れて刺激を届けてあげることも一つです。
たとえば発達特性で身体が常に緊張しているお子さんには、身体を穏やかにマッサージしてあげたり、手で自分の身体の輪郭をたどらせてあげたりすると、緊張がふっとゆるんで楽になることがあります。
(※皮膚の感覚過敏がある方には逆効果になることもあります。お子さんのご様子を見ながら無理はしないようにしてあげてくださいね。)
また、身体の現在地を認識してあげるだけでも身体はふっと和らいでゆるんだりします。
「今、自分の身体は〇〇という状態である」と見つめて受け取ってあげるだけで十分です。
自分一人ではどうすればいいかわからないときはどうぞ三輪堂にメッセージを投げてみてくださいね。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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