かつての我が家の兄妹ゲンカ
拙宅の息子(当時もうすぐ4歳)は、妹(当時2歳)と、よくケンカをしていました。
たいていは、妹が兄のおもちゃを勝手に取る(と兄は思っている)ことが原因です。
母からすると、あなたは今使ってないんだからいいでしょ、とか、おもちゃは一緒に使えばいいのに、とか、お兄ちゃんのほうがいっぱいおもちゃを持っているんだから貸してあげてよ、とか思うのですが、息子の気持ちはまったく別です。
「○○ちゃん(妹の名前)はぼくのおもちゃを取ってばっかりいるからキライ」という発言もあったりして・・・
おもちゃの取り合いについて息子にストレスがかかっていることは、よくわかっていました。
それでもやはり、息子が妹に向かって大声を出したり、バカ!と覚えたての悪口を言ったりする様子を見ると、「妹に向かってそんなことを言わないで!返してって言えばいいの」などと指導していました。
本当に妹が悪かった時はもちろん妹を注意するのですが、たいていは兄の「おもちゃを貸さない」という行動が目立っているので、どうしても兄への指導の回数が多くなります。
兄のおもちゃと妹のおもちゃを分ける、置き場を変えるといった働きかけも試してみましたが、二人とも相手が使っているおもちゃを気にするので(誰も使っていないおもちゃが他にいっぱいあるのに!)、意味がありませんでした。
母の対応はイマイチでした
改めて振り返ってみると、わたしのしていることは、決して良い指導にはなっていません。
なんとなくその場の雰囲気を取り繕っているだけで、妹はまだ良いでしょうが、兄にとっては怒りを上から押さえつけられているだけです。
このままの対応を続けると、親に怒られないように見せかけだけを取り繕うようになる可能性もあります。
望ましい対応の例
怒りを受け止める
わたしがするべきことは、息子が「バカ!」と怒鳴った時に、「バカって言いたくなるくらい、嫌だったんだね」「おもちゃを取られるのは嫌だよね」と、まずは彼の怒りを受け止めることでした。
言葉の裏にある気持ちを言語化してあげることで、気持ちを表現する言葉を自分の中にためていくことにもつながります。
代わりの行動を一緒に考える
次に、「怒るかわりにどう行動すればよいか」を一緒に考える取り組みが必要ですね。
兄と話し合って、別のおもちゃを貸してあげるとか、しばらく使ったら貸してあげるとか、そのつど本人が納得する解決策を相談して決めていこうと思います。
自分で考えられない時は、親が選択肢を提示して選んでもらいます。
この当時は、妹のほうのコミュニケーションスキルがまだ充分ではないので&ちょうどイヤイヤ期だったので、妹に納得してもらうのはなかなか難しかったのですが、地道に繰り返してきました。
現在は、まだぶつかり合いはありますが、それなりにお互いの妥協策を見出すことはできるようになっています。
自分の癖を見直す
ストレスがかかる場面(息子の例では、妹におもちゃを取られる場面)にどう対処するかを教えていくことは、ソーシャルスキルを高める上で非常に効果的です。
上に挙げたような指導を繰り返していくうちに、「自分はストレスを感じる時にどんな考え方・行動をしがちか」を振り返ることができるようになっていきます(当時の息子の場合は年齢的にまだそこまで思考力が育っていなかったと考えられますが)。
自分の考え方の癖や行動の特性がつかめてくると、問題解決に向けての手立ても考えやすくなります。
ストレスに対処する力を育てる方法まとめ
- 本人の気持ちを否定せず受け止める
- 本人の気持ちを言語化する
- よくない行動の替わりにどんな行動をとるべきか教える(一緒に考える)
- 自分がストレスにどんな行動で対応しているか、自分の癖を振り返る
- その癖をもとに、解決策を模索する
大きな課題にも対応可能
たとえば、怒りを抑えられずにすぐ暴力をふるう、不安に耐えられずに引きこもりがちになるといった大きな問題にも、基本的には同じ対応方法が有効と考えられます。
個々の状況に応じて、個別具体的な支援の工夫が必要なことは言うまでもありません。
ご本人の発達上の特性に応じて、苦手さを感じていることへの支援を提供するなど、環境の調整も必要になります。
ご家庭だけでの支援が難しいとお感じの際は、ぜひ周囲の信頼できる方や専門家にご相談くださいね。
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