955-1 WISCを受けた小6のH君
小6のH君。ある日、WISC-Vを受けました。
担当の心理士さんから聞いた話を、親御さんがシェアしてくださいました。
H君は検査中に何と戦っていたかというと、外の物音でした。
窓を閉めていても道路を走る車やバイクの物音が聞こえてきます。
集中を乱す音の存在にH君はイライラし、「クソ!」「死ねばいいのに」などと口にすることもあったそうです。
H君はとても耳の良い子です。
WISCでも、視覚よりも聴覚情報のほうがキャッチしやすいという結果が出ています。
そんな彼にとっては、車の走行音、イスを引く音、鉛筆を落とす音、鼻をすする音など、周囲の人が立てる音がいつも耳の中で鳴り響いているのかもしれません。
955-2 頭の中がよそ見をしていると
物音にイライラして心を取られていると、当然ながら目の前の検査に対する集中は落ちます。
H君も、集中できていたらもしかしたらもう少し点数が伸びたかもしれないね、という場面があったそうです。
H君がこれから中学・高校と進学していくにつれて、定期試験や受験など、集中して取り組めるかどうかが成否を分ける場面も増えてきます。
どんな環境でも完全に無音というわけにはいかないし、ふつうの生活環境では道路の音くらいはいつでも聞こえてくると思ったほうが妥当です。
自分自身でも音と折り合いをつける練習をしつつ、できるだけ静かな環境を作る、耳栓を使うなどの外部的な対策も大切にしていけると良いですね。
H君に限らず、大人も子供も、頭の中で鳴り響くもの、心を占めるものによって集中を欠くことは珍しくありません。
「頭の中がよそ見をする」ことによって、本来は100の力で取り組めるところ、60や50や、へたをしたら30くらいの力でしか目の前の物事に取り組めないことだってあります。
955-3 言い訳と正当化の落とし穴
特に大人の場合、頭の中がよそ見をするパターンで多いのは「言い訳」や「正当化」。
自分を正当化することに過剰なエネルギーを使ってしまって、本来見るべきものを見ていない、または、見るまでにすごく時間がかかっている人が結構います。
このあたりはまたいずれメルマガで書いてみようと思っています。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。