845-1 相手を思い通りにコントロールする関わり
大人の中には、子供を自分の思い通りに変えようとする目線があります。
相手を自分の思い通りにコントロールすることが正解で、子供を上手に扱える人=子供に言うことを聞かせるのがうまい人、という価値観が根強くあるように思います。
たとえば、子供の良い行動を増やしたいとき、その良い行動を行ったらすかさず子供を褒めて、行動を強化するというアプローチがあります。
これはこれで悪くはありません。
行動を認め、承認してあげるのは大切なことです。
このとき、つい大人がやってしまいがちなのは、良いとされるその行動をとらなかったときに、無意識に子供を否定してしまうことです。
自分がこんなに頑張っているのにこの子はなかなかできるようにならない、うまくいかない、と大人が感じているとしたら、「相手を思い通りにコントロールしよう」が発動している証拠かもしれません。
845-2 行動を引き出し、主体性を尊重する関わり
身体の原理原則から見ると、大人が導いて、大人が良いと思う行動をさせるよりも、もっとお互いの育み合いにつながる関わり方があります。
それは、子供の中から自然に行動が引き出されるように、”かすかに” サポートすることです。
出てきた行動がたとえ大人の望むものではなかったとしても、本人の選択を尊重します。
人間関係に、算数の計算のような解法や正解はありません。
大人の思い通りに子供をコントロールするほうは、大人にとっては簡単に答えが見つかります。
「~~をしなさい」を命令すればいいだけだからです。
命令や報酬や罰則をあれこれ繰り出せば、子供は良くも悪くも、少なくとも表面的には、大人の言うことを聞くでしょう。
このやり方なら、手っ取り早く、効率よく、決められた時間内に収めることもできます。
845-3 必要なときに必要な方法を選択できる自分になろう
でも、子供の中から行動が引き出されるのを待つほうは、そうはいきません。
種を土に埋めて、水をかけて、太陽の下で、じっと発芽を待つのと同じで、大人にできるのは、子供が居心地よく感じる環境を提供しながら、辛抱づよく待つことのみです。
身体の本質により近いのは後者です。
たとえ時間がかかっても、このやり方のほうが、大きな目で見て循環力の高い結果につながります。
どちらの方法が良い、悪い、ということではありません。
必要なときに、必要な方法を選択すれば良いだけです。
今の社会では「相手を思い通りにコントロールしよう」が主流ですが、「待ち、引き出し、尊重する」方法も自由に選択できるようになると、もっとのびのびと心と身体が動き出しますよ。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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