837-1 陰の未来
前回の続きです。
世の中は明るい未来を見たがるけれど、それではうまく進めない人がいる。
そういう人は人生の進路の陰陽のバランスを取ってみてはどうだろうか、という話でした。
たとえば、今の自分にとって最悪のシチュエーションを想像してみてください。
今やっている学業や仕事が完全に破綻する
家族やお客さんにソッポを向かれ、孤立する
誰一人、自分を愛してくれない
などなど、人によって想像される「最悪」は違うと思いますが、きっといろいろ出てくると思います。
これが、陽の未来に対する「陰の未来」です。
837-2 最悪を避ける
人が行動を起こすには、陽の未来(=目標・理想)に向かっていく方法と、陰の未来(=最悪の事態)を避ける方法の2つがあります。
華々しいのは前者ですが、生命の本質に近いのは後者です。
生命は危機回避の能力を本能的に持っているからです。
熱いものに触ったら考える間もなくパッと手を離すのがそれです。
この能力を活用して、「最悪を避ける」ことを考えてみましょう。
さっき想像した最悪のシチュエーションを避けるとしたら、あなたにはどんな「次の一手」が浮かびますか?
最悪のシチュエーションをひっくり返して考えてみてください。
たとえば「仕事が完全に破綻する」をひっくり返すと、「順調に仕事が進む」とか、「仕事を通して皆に喜ばれる」といったことが出てきます。
すると、皆に喜んでもらう仕事をするには? という質問が出てきます。
このように、最悪を避けようとすると、一歩ずつ状況を改善する手立てが見えてきます。
837-3 行動が引き出されるほうを選んでみよう
そのつどそのつどの「最悪」を避けていれば、とりあえずその一手の分は生命が守られます。
前進できます。
飛行機に乗って一気に目的地まで飛んでいくのもいいでしょうが、ぬかるみ道の水たまりを避けて一歩ずつ足を運んでいけば、それだっていつの間にか結構遠くまで歩いていけるものです。
立ち止まっているより何倍もマシです。
しょせん人生なんて、大成功と大失敗の間で生きるしかありません。
最高を目指さなくても、最悪を避けてさえいれば、その間のどこかには間違いなく着地できます。
というわけで、明るい未来に向かっていく方法がうまくいかないなら、最悪を避ける方法を採択してみてはどうでしょう。
どちらが良い悪いということではなく、どちらが自分に向いているか、どちらの方法なら自分の中から行動が引き出されるか、ということです。
片方を試してみて、それがうまくいかなかったら、もう片方を試してみたら、案外うまく歩いていける小道が見つかるかもしれませんよ。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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