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ADHDで洋服を片付けられない人が、ある方法で少し整理できるように。その中にある療育の大切な視点とは

目次

894-1 洋服を片付けられなかった人

強いADHD傾向の方のエピソードです。

この方は片付けが苦手で、洋服を畳んで引き出しに入れたり、ハンガーにかけたりすることができません。

それで、洋服がいつも家具や床の上に散らばっていました。

着たい服がすぐには見つからないし、見た目も悪いしで、ご本人もそれで満足しているわけではなかったけれども、畳んで引き出しに入れる苦痛に比べれば何倍もマシなのだそうでした。

その方が、専門家からアドバイスをもらって、段ボール箱に「トップス」「ズボン」「下着」などと書いておき、該当する衣類を箱に投げ込むようにしました。

衣類が箱に入っただけで、床一面に散らかっているのと比べればずいぶん使いやすいし、「片付いた状態で」室内を使えるようになったということです。

894-2 できるとできないの境界は

できる・できないを考えるとき、人は、自分の理想像を設定して、そこに到達できたら「できた」、それ以外はすべて「できなかった」と判定しがちです。

このとき、できるとできないは、あたかも白と黒のように、きっぱりと二つの世界に分かれています。

でも本当は、できるはできないのすぐ隣にあります。

両者の差はもっとファジーであやふやで、「ほんのちょっとできる」「このくらいならできる」のような、”隣の一歩” が存在するのです。

冒頭の方も、小さい頃から片付けが苦手で整理整頓ができず、大人にさんざん注意されてきたし、ご自身でも、片付けができない自分に否定的な自己認識を持って生活してこられたそうです。

でも、この方は、モデルルームのように美しく片付けることは「できない」かもしれないけれど、箱に入れて片付けることは「できる」のでした。

894-3 隣の一歩を見つけ合おう

療育とは、「できない」と思い込んでいることのすぐ隣にある「できる」を見つけるための知恵だと思います。

人間はすごく頭が良くて、月にだって飛んでいける能力を持っています。

それだけ賢い生き物なのだから、ほんの一歩分だけ隣に目を向けることだって、簡単にできるはずですよね。

自分たちの心の中の “隣の一歩” を、みんなで見つけ合えたらいいなと願っています。


本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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