858-1 都道府県の先取り学習に挑戦したご家庭
小3のお子さんと、都道府県の先取り学習(学校では4年生の範囲です)を行ったご家庭がありました。
親御さんは立体パズルを使って都道府県を暗記させようとしていましたが、お子さんは一向に覚えません。
「”さ” がつく関東地方の県は?」
「さ・・・ さ・・・ さが?」
「佐賀は九州でしょ」
「九州ってどこ?」
という感じで、何週間も根気よく繰り返しても、4年生になって学校で学習が始まってからでさえ、お子さんの暗記はほとんど進捗がなかったそうです。
858-2 自分が関心を持つかどうか
ところがこのお子さんが5年生になって、急に都道府県に興味を持ちました(きっかけは親御さんにもわからないそうです)。
そして都道府県パズルのピースを一つひとつジッと見つめ、時間さえあればパズルをはめては崩しを繰り返し、なんとわずか2日で、すべての都道府県の名前・形・位置を覚えてしまったと言います。
このエピソードからつくづく思うのは、人は自分が関心を持ったことがすべてだということです。
他人に指示されてやるのは、時間がかかるし、なかなか身に着かないし、学びの道のりは時に苦痛にもなります。
自分がやりたくてやるのは、何時間もそれに向き合っていても苦にならないし、身に着くのも早く、理解は深くまで届きます。
もちろん、こちらのご家庭での取り組みを否定しているわけではありません。
現にお子さんも、「さ」と聞いたら「佐賀」が出てくるくらいの知識は頭に入ったわけですから。
その知識の下敷きが、5年生になってご本人が集中して取り組んだときに、とても大切な土台になったと思います。
858-3 学校も、そのくらいのものとして
学校で勉強するということも、大体そのくらいのものだと捉えておいたらよいのではないかな、と思っています。
学校での学びが面白かろうとつまらなかろうと、まずはふわっとした知識を一通り頭に触れさせておく。
それだけでいい。
いざ自分の人生で自分が主体的に何かを学びたいと思ったときに、それを下敷きにして積み上げていけばいい。
そんなふうに捉えていただくと、良くも悪くも、学校という社会の中に、軽やかな風が吹き抜けていくかもしれません。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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