831-1 布団がない!
昨日はお休みをいただきました。
ご心配のメッセージをくださった皆さん、ありがとうございました!
今回は、ある知的障害のお子さんの日常生活の一コマのシェアから。
このお子さんは、普段はご自宅の和室で過ごしていて、夜は同じ和室に布団を敷いて休まれています。
お父さんとお子さんがお風呂に入っている間、お母さんが和室に布団を敷いておく流れでした。
あるとき、お母さんがお忙しくて、布団を敷けなかったことがありました。
すると、お風呂から出て和室に入ったお子さんは、そこに布団がないことに非常に困惑した様子を見せたそうです。
この子の場合、布団が普段どこにあって、どのように準備されるのかを認識していなかったと考えられます。
布団とは、夜になれば突然現れるもの、と理解していたのかもしれませんね。
831-2 子供が見ていない部分がたくさんある
このように、子供が見ていないところで大人がしている作業があります。
たとえば、食事の準備や片付け、洗濯物の片付け、お風呂を洗うこと、麦茶をわかして冷蔵庫に入れておくこと、トイレットペーパーや洗剤を入れ替えること、などなどなど、、、
大人自身も意識していないくらい半自動的に大人がこなしている作業が、各ご家庭にきっといろいろあると思います。
園や学校の準備はお子さんご自身がされているご家庭も多いでしょうが、その持って行く制服だのハンカチだの給食袋だのは、親御さんが洗って、きれいな替えを所定の場所に置いておくところまでやってくださっていることが多いのではないかなと想像します。
こういう作業を、ぜひお子さんの前でやってみましょう。
可能ならお子さんに手伝ってもらいましょう。
831-3 日常生活が育む認知力
日常生活の一つひとつの作業とその流れが、生活の見通しを立て、自主的な行動を引き出すことにつながっていきます。
段取りを考えて行動したり、先をイメージしたり、見えないものをイメージする・想像する・思い出す力にもつながります。
冒頭のお子さんは、布団が敷かれていない→では押入れに入っているのだろう、といった想像が難しい子でしたが、実際に親御さんが押入れから布団を出して敷くところを繰り返し見せてあげることで、今では入浴後に自分で押入れの前に行き、布団を敷くのを手伝ってくれるようにもなったそうです。
特別な稽古や練習よりも、日常生活こそが、認知力を育む基本ですね。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。