2歳児が霧吹きを使う様子を見て気づいたこと
先日、子供たちとホームセンターに行って、野菜の種を買ってきました。
できるだけ簡単に育てられる「葉野菜」を選んできました。
早く芽が出たほうが楽しいし、子供が飽きないかなと思ったので(^ ^)
「レタス5種類ミックス」と「ルッコラ」を植えてみたところ、種をまいて2~3日で芽が出始めました。
やっぱり葉野菜は早い!
子供たちも夢中になって霧吹きで水をやっています。
4歳の兄は、最初からほぼ問題なく霧吹きを使うことができましたが、2歳になったばかりの妹は、なかなかそうもいきません。
霧吹きの仕組み自体もよくわかっていなかったので、ここを持って、レバーを引いて・・・と一つずつ教えました。
ところが、大人用の大きな霧吹きなので、小さな手では扱いにくく、レバーを引く力も足りない様子。
ちょびちょびと水は垂れるので、水やりの経験としてはこんなものでいいかと思っていました。
もう少し大きくなったらもう一度教えてあげればいいや、という気持ちで。
ところが!
霧吹きを数回使うと、2歳児の手つきが変わってきました。
お腹に霧吹きの底を押し付けて支え、両手で本体とレバーを握り込んで、両手の力を全部使ってレバーを引く方法を編み出したのです。
正しい方法ではないかもしれませんが、今のこの子がこの霧吹きを使うにはベストな方法だろうと感じました。
それを見ていて、そうかこういうことか、と改めて考えを深められたことがあったので、この記事を書いています。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
トイレのドアを開けるときの身体の働き
わたしたちは、物体の動きや抵抗を感じながら、自然と自分の身体の動きを変化させることができます。
わかりにくいので例を挙げましょう。
たとえば外出先でトイレに入ったとします。
個室のドアを開けるとき、取っ手を握って押してみて、動かなければ引いてみますよね。
引いてもまだ動かなければ、横にスライドさせればたぶん開くでしょう。
この時、なぜわたしたちが「押しても開かない」と感じられるかというと、ドアがそれ以上動かないという「抵抗」を感じるからです。
ドアがかまちにぶつかって動かないことを手で感じ取り、押す→引く→横にスライドさせる、といったように手の動きを変化させています。
この動作を何度も何度も繰り返すうちに、ドアや取っ手の形状を見ただけで、ドアがどんなふうに開くか、なんとなく想像がつくようになっていきます。
対象に合わせて身体の動きを微調整する
娘がやったのもこれと同じことです。
霧吹きのレバーの動きを手で感じ取って、レバーをこの方向に押せば動くということを理解し、レバーを動かすにはどのくらいの力が必要か(片手では足りないから両手にしよう)、両手をレバーにかけるには本体をどう支えれば良いか(お腹に押し付けてみよう)を考えて、その通りに身体を動かしたわけです。
この時、娘は、水がたくさん入った重い霧吹きを落とさないように支えながら、手やお腹の動き、向き、力の込め方を調整しています。
いったん霧吹きの使い方を身体で覚えたら、次からはたいして困らずにレバーを操作できるようになるでしょう。
発達に偏りがあると身体操作がうまくいかないことも
ところで、発達に偏りがあると、こうした自然な身体の調整がうまくいかないことがあります。
理由は色々ありますが、
- 手の感覚が過敏でものを触ること自体に抵抗がある
- 物体の動きや抵抗を感じ取りにくい
- 目で何かを見続けたりものの動きを追ったりすることが苦手
- 思い通りに身体を動かすのが難しい
などが主に考えられるでしょう。
そのため、身の回りのものに触れることをためらいがちになったり(それは認知の発達にも影響を与えます)、うまくものを操作できなかったり、周囲から「不器用」と不当な評価を受けたり、といった状況につながりやすくなります。
大人が何も考えずに(考えたとしてもほとんど意識せずに)自然と行っている動作が、子供たちにとっては非常に難しいことである可能性を、よく考えたいところです。
苦手より得意にアプローチする
お子さんになんらかの苦手な動作がある場合、その理由をよく見極めて、苦手な部分を底上げできるような練習をするのも良いですね。
日頃の様子をよく観察して、どこに苦手さが隠れているかを見つけてあげてください。
そして、それ以上に重要なのが、得意な部分を伸ばすアプローチをたくさん行うことです。
苦手な部分を伸ばそうとするより、得意な部分を伸ばすほうが、圧倒的に効果が出ます。
練習していて楽しいですし、自己肯定感にもつながります。
得意な部分が伸びてくれば、自然と苦手な部分がカバーされてなんとかなっていく、ということもしばしばあります。
親御さんもお子さんも、頑張りすぎず、楽しく進んでいけると嬉しいですね。
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