803-1 早期療育が大事だというけれど
療育は早期にスタートすることが大事だと言われます。
そこで、保護者はできるだけ早く、良い施設に通おうと考えます。
確かにそれには一理あります。
早いうちからその子に合った関わりができ、結果としてその子が自分自身や周囲の世界との上手な付き合い方を身につければ、そうでなかった場合と比べて、親子ともに社会生活の負担感や風当たりははるかに穏やかなものになるでしょう。
803-2 いつでも、いつからでも、どこでも
療育をスタートするというと、何か特別な施設に通って、特別な専門家が、特別な指導をするかのような響きがあります。
が、療育施設に通わなければ療育ができないわけでもないし、早くに療育を始めなければ子供がうまく育たないというわけでもありません。
療育とは、親子ともにこの世の中で居心地よく過ごせるように、その子に合った関わりを行うということです。
いつでも、いつからでも、どこでもできます。
いわゆる「育児」となんら変わるものではありません。
その子の特性に応じて、働きかけの手数が増えたり、より繊細な配慮が必要になったりするだけのことです。
803-3 育ちの本質を見失わないように
療育施設になぜ通うのかといえば、それによって働きかけの手数を増やし、一般の保護者ではとっさには思いつかないような繊細な配慮を提供することができる(可能性が高い)からです。
施設で、第三者がお子さんに関わることで、保護者が一人で育児の負担を抱え込むことも緩和されます。
でも、それだって、別に療育の専売特許ではなく、育児では当たり前のことです。
大人たちは「療育を提供する」ことに翻弄されがちですが、育児、人が人を育むこと、お互いに育ち合うことの本質を見失わないようにしたいものです。
深い自戒をこめて。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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