遊びの中で待つ
行列に割り込んでしまう、相手が使っているおもちゃを勝手に取ってしまう、やりたいことがすぐにできないと怒ったり泣いたりする、、、
といったように、順番を待つこと、我慢することは、小さなお子さんにとっては難しいことがあります。
今回は、遊びを通して「待つ練習」ができる工夫をお伝えします。
ボールのやりとり
ボール遊びは、相手がボールを返してくるまで待つ必要がある遊びです。
キャッチボールが代表的ですが、キャッチボールが難しいお子さんには、床を転がってくるボールをつかまえ、また相手に転がし返す、という遊びも良いでしょう。
ラケットで打ち合う
バドミントン、卓球、テニスなど、ラケットで打ち合う遊びも、相手のタイミングを待つ必要があります。
ラケットの扱いが難しいお子さんには、次の風船バドミントンがお勧めです。
風船バドントン
風船を天井から釣って、バドミントンのラケット(うちわ、下敷きなどでもOK)で打ち合います。
風船が動く範囲が決まっているので打ちやすく、打ちそびれても風船が床に落ちないので、いちいち拾う手間がなく、集中力の続きにくいお子さんでもイライラせずに続けられます。
身体を使った遊び
5から、または10からカウントダウンしながら、ゼロのタイミングで、抱き上げたりハイタッチしたりジャンプしたりすることで、相手とタイミングを合わせる遊びです。
くすぐられることを楽しめるお子さんには、「いっぽんばしこちょこちょ」などの手遊びで、くすぐられるタイミングを期待させるのも、よい練習になります。
一緒に型はめ
型はめパズルを、自分で勝手にはめるのではなく、指導者の指示ではめていく遊びです。
先に進みたい気持ちを我慢してコントロールする力や、指導者の指示に従う力を育てることにつながります。
ものを自分の決めた場所に置きたがるなど、場所にこだわりがあるお子さんのこだわりを崩す効果もありますよ。
「待つ練習」として活用するだけであれば、使う道具は型はめパズルでなくても構いません。
お子さんが好きな遊びで、作業を一つずつ繰り返して完成させるタイプの遊びであれば、何でも大丈夫です。
生活の中で待つ
生活の中でも、機会をとらえて待つ練習をしていきたいですね。
最初から長い時間を待つのは難しいので、まずは短い時間待つ経験をさせましょう。
行列
行列が長い時は、大人がかわりに並んでおき、お子さんは別の場所で待ちます。
あと何人かで順番が来るというタイミングで、お子さんが列に合流します。
そうすると、「短時間待って順番を守れた」という経験ができます。
商品購入や遊園地のアトラクション、公園での遊具の順番など、さまざまな場面で応用できます。
いつまで待つかを明確にする
「ちょっと待って」「まだだよ」「もう少し」などの表現は、どのくらい待てばよいのかが曖昧で、意味が伝わりにくい場合があります。
可能なら、
- 砂時計の砂が落ちるまで
- ○時まで
- 時計の針が数字の6に来るまで
- 10数えるまで
など、具体的なものを示してあげると安心につながります。
音楽・歌
音楽に合わせて歌う、誰かと声をそろえて歌う、音楽に合わせて身体を動かす(行進する、手を叩く、踊る、等)といった活動は、音に合わせて自分の動きをコントロールし、タイミングを待つ練習です。
テレビアニメのテーマソングに合わせて歌うなど、生活の中でなにげなく取り組めます。
周囲に合わせて行動する練習にもなります。
子供の育ちは少しずつ、一歩ずつ
こうした小さな「待つ」練習を積み重ねることで、自分の感情をコントロールし、タイミングを合わせて身体を動かす力が少しずつ育まれていきます。
誰でも、最初からうまくできる人などいませんから、毎日一歩ずつでも前進することを目指しましょう。
親御さんにとっても、子供の成長を「待つ」のは難しいときもありますよね。
困ったり、くじけそうになったりするときは、ぜひ誰かに相談してみてくださいね。
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育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
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