789-1 達成したことを評価する働きかけ
達成すべき課題を一覧表にして、達成できると〇をつけていく方式の働きかけがあります。
大人でいうところのToDoリストのようなものです。
たとえば計算プリントを1枚解くごとに〇をつけて、〇が5つ溜まったら特別なご褒美と交換、といったように、インセンティブをつけることもあります。
〇を集めることが楽しさや喜びとなって、課題に取り組む積極性を引き出すことが期待できます。
一方、この方式がかえって仇となって、〇が集まらないことに苛立ちを感じたり、他の子と〇の数を比較して焦ったりする子もいます。
▼ 目標を決め、達成できると〇をつけていく方式。このような表を使用します。
789-2 二つのアプローチ
そうした場合には、二つの考え方があると思います。
一つは、課題を簡単にすることです。
その子にとって当たり前にできること、ほんの少し頑張ればできること、などを課題に盛り込んでハードルを下げ、〇を集められるようにします。
もう一つは、〇を集める方式そのものを変更することです。
課題を先に決めておいてやらせるのではなく、本人がやったことを記録していく方式に変更します。
たとえば算数はやりたくないが折り紙なら喜んでやる、という子がいたとします。
こうした子は往々にして「やるべき算数をやらずに、折り紙に逃げた」という見方をされがちです。
こうした感情的な価値判断を一切除外して、ただ「その子が取り組んだこと」を記録してみましょう。
算数を避けて折り紙に取り組んだならば、「折り紙」と記録します(算数には触れません)。
箇条書きでどんどん書いていきます。
789-3 行動の内容に価値の軽重をつけない
このようにして、表には、その子が今日やったことだけが記録されていきます。
学習課題だけにこだわらず、「靴を履く」「給食を食べる」等の生活動作も記録してもOKです。
このとき大切なのは、記録した内容に価値の軽重をつけないことです。
算数ができたら偉い、靴を履くのは当たり前すぎて偉くない、という見方はしません。
すべての動作を公平に記録しましょう。
しばらくこの記録を続けてみると、子供たちはのびのびと行動するようになり、不思議と、苦手な算数をやってみてもいいかも、という気持ちが自然に湧いてくることがあります。
自己否定的に自分を捉える目線が変化したり、無意識に感じていた周囲の圧を抜け出したり、するのかもしれません。
指導のご参考になれば幸いです。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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