773-1 バッフル
先日、小学5年生の男の子とその親御さんのお話を伺っていたとき、なんとなく各々が好きなことをしていた時間がありました。
わたしはそのとき “baffle” という英単語の意味が思い出せず「バッフル、バッフル・・・ 困惑させる、か」などと独り言をつぶやきながら辞書を引いていました。
すると、隣にいた男の子が突然言いました。
「ワッフルが焦げてバッフル」
「???」
一体何のことやら、ポカンと彼の横顔を見つめた数秒後、ようやく「ワッフルが焦げたので困惑した(=バッフル)」という意味のダジャレだと気づきました。
いま聞いたばかりの英単語を即座に活用したスマートなダジャレ(スマートすぎてすぐには気づけなかった!)に感動してしまいました。
こういうお子さんには、自分の優れた力をどんどん伸ばしていってほしいなあと、つくづく思います。
773-2 小学校に入って5年経った姿
この男の子はちょっとトガった言動が多く、学校に馴染まない、お友達がいないというのが親御さんのお悩みだったのですが、これほど耳が良く頭の回転の速い子ならば、同年代のお友達とは波長が合いにくいのだろうなあと改めて納得したことです。
彼は、小学校1年生のときから、教室でいきなり大声を上げる、クラスメイトに鉛筆を刺そうとする、教室を飛び出す、テスト用紙をビリビリに破る、といった行動を見せている子でした。
さまざまな人の支援を受けて、学校に無理に馴染もうとしなくていい、つらいときは逃げる、自分を守ることを第一にしよう、というテーマで練習を続けてきました。
その結果、問題とされる行動は激減し、今では皆と一緒に行動でき、自分を抑えて「他者に寄せる・合わせる」行動も見られるほど、自分と周囲との妥協点を見出せるようになってきています。
親御さんも、当初は不安や学校への不信感でいっぱいになっておられましたが、今ではその感覚もだいぶ薄れてみえたようです。
いまだに集団の中ではだいぶ浮いています、とはお母様の談ですが、浮いているくらいならまあまあいいんじゃないですか?(^ p ^) とお話すると、苦笑まじりに頷いてくださいます。
773-3 今ここ/長い人生
こうしたご家庭のご様子を見せていただいて、いつも思うのは、育児には「今、ここ」と「長い人生」の両方を見る目が何より大切なのだなあということです。
いたずらに先を見て不安になるのでもなく、今すぐ何かをできるようにしようと焦るのでもなく、その子がいま感じている辛さを探り、取り除く努力をし、その子の良いところを伸ばしながら、その子の育ちを待ってあげること。
さらに言うと、それができるためには、関わる大人が「自分は独りぼっちではない」と感じられることがとても大切です。
自分も誰かに支えられている実感があるからこそ、自分が誰かを支えられるのですから。
育児ってきっと、その繰り返しなんですね。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
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