起こり得ることを事前に想定するワーク

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729-1 起こり得ることのワーク

前回はパニックへのアプローチの一例を書きました。

今回はその続きです。

パニックになるのは、「想定外の出来事に突然出くわす」からです。

自分の予測の範囲内の出来事や、自分が対処法を良く知っている出来事ならば、そう焦らずに受け取れるものです。

パニックへのアプローチの一例として、「起こり得ること」を事前に想定しておくワークも良いでしょう。

ある程度の言語的な理解力がある、時系列を理解できる、過去や未来の話を考えられる、といったお子さんに、ぜひお勧めです。

ご本人の苦手な活動を行う前、騒ぎが起こる可能性が高い時(例:バスを見ると乗りたくて大騒ぎしてしまう子とバス通りを歩く)、などに取り組んでみましょう。

729-2 ワークの流れ

1.これからすることを明確にする

これから何をするのかを明確にします。
「〇〇ゲーム」のような活動なのか、「〇〇に出かける」といった行動予定なのかで、まとめ方も少し変わってきますね。

たとえば外出して用事をする場合、「〇〇駅まで歩く→〇〇電車に乗る→〇〇駅で降りる→〇〇ビルに行く→・・・」といったように、行動の要所要所を確認しておくと良いでしょう。
慣れてきたら、一部を省略したり、課題になりそうなところだけピックアップしたりするとスムーズです。

2.活動の中で起こりそうなことを考える

思い当たることを何でも挙げていきます。

たとえば活動内容がドッヂボールだった場合、
・すぐにボールに当たって外野に出ないといけない
・コート内に自分一人になってしまう
・緊張する
・先生や友達の声がうるさい
・外野からずっと内野に入れない
・ボールが怖い
などなど。

お子さんには口頭で話してもらい、大人が素早く書き留めていくとスムーズです。
自分で書ける子は書いても構いません。

3.活動を通して起こる「良いこと」を考える

思い当たることを何でも挙げていきます。
2の内容と重なっても構いません。

活動への苦手意識が強いと、良いことがなかなか思いつかないこともあります。
その場合は大人が適宜ヒントを出してあげましょう。

<ドッヂボールの場合>
・ボールをうまくキャッチできる
・相手にうまく当てられる
・最後までコート内に残れる
・試合に勝つ
など

意外と良いこともたくさんあるね! などと声かけしてあげるのも良いでしょう。

4.活動を通して起こる「困ること」を考える

思い当たることを何でも挙げていきます。
2の内容と重なっても構いません。

<ドッヂボールの場合>
・ボールが当たって痛い
・勢いのあるボールが怖い
・投げても当たらない
・試合に負ける
など

クラスメイトに邪険にされる、先生の指導が厳しすぎる、など、気になる情報が出てくることもあります。
必要そうであれば、このワークとは別の場面で、追加の対処も検討しましょう。

5.うまくいかなかったらどうするかを考える(困ることが起きたときにどう対処するか)

4の内容を受けて、「これが起きたら、どうしたらいいと思う?」と一緒に考えていきます。
ご本人から出てくるアイディアを大切にしましょう。

なかなか出てこない場合、

「あなたはいつも〇〇をすると落ち着くよね。だったらこの時も、〇〇や□□をしてみたらどうかな?」
「みんなの近くにいるとイライラが収まらないかもしれないから、少し離れてみるのはどうかな?」

などと、普段の様子から見て落ち着くことに寄与しそうなことを提案してみましょう。

2~5はすべて書き留めておくのが理想です。
特に5は、わかりやすいようにホワイトボード等にまとめて、可能ならば活動中に参照できるようにしたり、いつでも目に入るように設置しておいたりすると良いでしょう。

6.実際の活動後、全体を振り返る

活動の振り返りはとても大切です。
5を中心に、事前にまとめたことを参照しつつ、実際にどんなことが起きて、どのように行動できたかを確認します。
ご本人だけでは気づけないところもありますので、大人から見てどのように行動できていたかもシェアしてあげましょう。

うまくできなかったところがあっても責めたり反省したりする必要はありません。
今回はこうだったね、と実際の行動を確認するだけで十分です。

自由に感想を述べてもらうのも良いでしょう。
「次回はうまくできるようにしたい」といった前向きな感想を大人は期待しがちですが、こうした “お利巧さん” な感想よりも、「やっぱり〇〇ゲームは大嫌いだ!」「二度とやりたくない!」といった正直な感情の発露のほうが、その先につながりやすかったりもします(^ ^)
お子さんの素直な気持ちを大切に受け取りましょう。

729-3 活動の前に・何度も繰り返し

以上のワークを、活動を行う「前」に行っておきます。

突然ワークをやろうとするのは大人にも子供にも混乱のもとですので、ワークのための時間や環境をきちんと設定することをお勧めします。

また、こうしたワークは、一度で効果が出るわけではありませんし、一度うまくいったからといって次もうまくいくとも限りません。

何度も繰り返し、自分の感情や反応と向き合っていく中で、少しずつ物事に対処する心構えや自分なりの対処方法が身に着いていくものです。

大人も長い目で、ゆったりと構えて、気楽に取り組んでみていただければと思います。


本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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